• "住民訴訟"(/)
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  1. 福岡市議会 2005-04-18
    平成17年第2回臨時会(第1日)  本文 開催日:2005-04-18


    取得元: 福岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                                         午前10時3分 開会 ◯議長(川上義之) ただいまから平成17年第2回福岡市議会臨時会を開会いたします。  これより本日の会議を開きます。  会議録署名議員阿部真之助議員原田祥一議員を指名いたします。  日程に入るに先立ち、この際、報告いたします。  包括外部監査人から包括外部監査の結果に関する報告が提出されましたので、その写しをお手元に送付いたしておきました。  以上で報告を終わります。  これより日程に入ります。  日程第1、会期決定の件を議題といたします。今期臨時会の会期は、本日から4月19日までの2日間といたしたいと思います。本件に対し討論の通告がありますので、これを許します。中山郁美議員。 2 ◯38番(中山郁美)登壇 私は、日本共産党市議団を代表して、議長提案の本臨時議会会期決定の件について反対し、討論を行います。  議長提案は、本会議と同じ日に委員会を開き、本議案をわずか2日間で議論するというものであります。今日、日本国憲法及び地方自治法の理念が全国各地で定着し、住民投票を実施した自治体は350を超えるなど、自分たちのまちのことは自分たちの手でという地方自治、住民自治の流れは確実に広がっております。  今回の人工島建設事業の継続について賛否を問う福岡市住民投票条例制定の直接請求署名は約1カ月間で有権者の7.7%に当たる8万4,015筆が集まりました。これは有権者の13人に1人、5ないし6世帯に1人が署名したことになります。署名に示されたのは、人工島に賛成、反対のいかんを問わず、みずからの意思を示したい、大事なことは住民が決めるという市民の強い思いであります。選挙管理委員会の審査を経て、有効署名数は7万6,922筆と確定されましたが、これは請求に必要な有権者の50分の1という法定数の実に3.5倍に上る市民が請求したことになります。24年前の環境影響評価条例を上回り、本市で行われた直接請求としては過去最大の署名数となっております。署名に込められた市民の思いを受けとめ、市長と市議会は真摯に審議してほしいというのが署名した人を初めとする市民の思いであります。市政への住民参加という点でも、地方自治の柱の1つである住民自治という点からも、住民こそが主人公を貫く上でも大切なことであり、議会として8万4,000の重みを真摯に受けとめ、住民の意見を最大限反映できる体制をとり、徹底審議を行うべきであります。市民の思いにこたえ、憲法と地方自治法で保障された直接請求の議案であることを踏まえ、議会として徹底審議にふさわしい日程を保障するのは当然のことであります。  24年前の環境影響評価条例を求める直接請求では、全議員参加の特別委員会が設置され、4日間かけて審議が行われました。98年の神戸の空港建設の是非を問う住民投票条例では、徹底審議には不十分という意見が出されながらも、空港等特別委員会での審議、特別委員会総務財政常任委員会、環境局・総括局との連合審査を行い、30人の市民の口頭陳述の時間を保障して5日間の日程を確保しております。99年の徳島の吉野川可動堰建設にかかわる直接請求でも4日間の審議日程をとっています。ところが、本市議会の議会運営委員会及び理事会で提案された日程はわずか2日間であります。我が党は徹底審議を求め、十分な日程の確保を主張いたしました。しかし、自民、公明、みらい福岡、民主、社民、平成、ふくおかネットワークは、手続条例であり、本議案だけなので2日間で十分と主張し、我が党の反対にもかかわらず強行しました。さらに、委員会審議については、我が党が、市長が出席する全議員参加の特別委員会の設置を求めたのに対し、自民、公明、みらい福岡、民主、社民、平成、ふくおかネットワークは、市長が出席しない第3委員会での審議を議会運営委員会で強行しました。これは、徹底審議を求める市民の思いを踏みにじるものであり、まともに審議もしないまま本議案を葬り去ろうとしているのは明白であります。初めから結論ありきと言わんばかりの決定だとの市民の声は当然であり、我が党は到底認めることはできません。よって、我が党は臨時議会を2日間とする会期決定に反対をいたします。 3 ◯議長(川上義之) 以上で討論を終結いたします。  本件を採決いたします。今期臨時会の会期を、本日から4月19日までの2日間とすることに賛成の議員の挙手を求めます。       〔賛成者挙手〕 4 ◯議長(川上義之) 賛成多数であります。よって、会期は2日間と決しました。
     次に、日程第2、議案第197号を議題といたします。この際、市長から提案理由の説明を求めます。山崎市長。 5 ◯市長(山崎広太郎)登壇 ただいま上程になりました議案1件について、提案の趣旨を説明いたします。  この人工島建設事業の継続について賛否を問う福岡市住民投票条例案につきましては、平成17年3月30日、地方自治法第74条第1項の規定による条例の制定請求を受理いたしましたので、同条第3項の規定により、私の意見をつけて議会に付議するものであります。  条例案の内容は、アイランドシティ整備事業の継続が本市の行財政と市民生活に重大な影響を及ぼすことから、その継続について市民の意思を明らかにし、もって市政の民主的かつ健全な運営を図るため、アイランドシティ整備事業の継続に対する賛否について住民投票を行うというものであります。これに対します私の意見の大要は、次のとおりであります。  アイランドシティ整備事業は、成長著しいアジアとのゲートウエーとして大水深の航路しゅんせつや最新鋭のコンテナターミナルの整備など、博多港の機能強化を図るとともに、新たに生まれる都市空間を活用して先進的なまちづくりや新産業の集積を進めるものであり、本市を初めとする九州・西日本の市民生活や地域経済の活性化に大きく貢献するとともに、アジアに向けた本市の都市戦略上重要な機能を担う事業であります。これまでの取り組みの結果、国際コンテナターミナルの供用開始や住宅の整備推進など、既にその成果が確実にあらわれてきており、これまでの事業投資を最大限活用し、この事業の効果をさらに発揮させていくためには、今後とも着実に事業を進めていく必要があると考えております。本市の将来にとって必要不可欠なこの事業の推進に当たりましては、議会制民主主義のルールに基づき議会において十分な御審議をいただき、議決を得て進めてきたところであり、また、今後も議会や市民の意見を十分尊重しながら進めてまいる考えであります。したがいまして、現在の状況において改めて事業継続の賛否を問う本条例を制定する必要はないものと考えております。  以上で説明を終わります。よろしく御審議をお願いいたします。 6 ◯議長(川上義之) 次に、地方自治法第74条第4項の規定により直接請求代表者から意見の陳述を求めます。  それでは、意見陳述者に入場していただきます。       〔意見陳述者入場〕(傍聴席で拍手する者あり) 7 ◯議長(川上義之) 意見を述べていただく直接請求代表者は、石村善治さん、嶽村久美子さんの2名であります。  なお、安東毅さんからはお手元に配付の意見陳述書が提出されております。また、意見陳述の時間は、2名合わせて20分以内となっております。  この際、傍聴者の皆様にあらかじめ申し上げます。傍聴人は拍手をしたり、発言をすることは禁止されておりますので、よろしくお願いいたします。  それでは、順次、意見陳述をお願いいたします。まず、石村善治さん。 8 ◯直接請求代表者(石村善治)登壇 人工島住民投票条例制定請求代表者の1人として、地方自治法第74条第4項により、本議会において意見を述べる機会を持つことができますことを心から喜んでおります。この条項は、平成14年法律第4号により追加改正されたものですが、この改正では、請求代表者陳述の議会への義務づけだけではなく、住民による議会の解散、議員の解職、長の解職の請求につき請求要件を緩和し、住民請求制度の充実を目的とする条項を加えております。これらの改正は、住民の直接的な意見表明の機会を一層拡大しようとするものであり、国及び自治体の住民自治充実の方向を確実に示すものであります。  今回の請求は、24年前、1981年に行われた博多湾環境影響評価条例まちづくり条例制定運動の継続であります。さきの請求は、福岡市民の、希望あふれる博多湾にするための環境アセスメント条例の制定でした。これには総数7万2,372名、有効数5万7,778名の署名が集まりました。しかし、当時の福岡市長は、国の法律制定に期待するという立場から、まちづくり条例案を不要なものであると述べ、市民の請求を無視して工事を開始し、現在に至っています。  この条例制定市議会の審議の終結、1981年10月5日に当たって、私たちは次の言葉で声明を結びました。かけがえのない環境を保全するために立ち上がった福岡市民の行動は、市議会における条例の否決にもかかわらず、福岡における住民運動の歴史的な胎動として記録されるとともに、今後の福岡市における住民本位で住みよいまちづくりを目指す市民運動を大きく励まし、一層発展させる原動力となるでしょうと。  それから13年、1994年、平成6年、博多湾人工島埋め立てへの公金支出の差しどめを求めて福岡地方裁判所に訴訟が提起されました。この請求そのものは棄却されましたが、判決の中で当該裁判官は次のように述べました。本件整備事業博多湾人工島埋立事業に対しては、福岡市民はもとより相当広範に根強い反対意見があることも既に見たところから明らかであるのに、福岡市としては右意見に真摯に耳を傾ける姿勢に欠ける嫌いがなかったとは言えないのである。これらの諸事情を踏まえるならば、この際、本件整備事業を抜本的に見直すというようなことさえ1つの政治的な決断として考えられないではないと。  この言葉は、判決としては異例とも言える人工島埋立事業に対する厳しい批判と言えるものであります。その後、さらに10年の間、市民の反対意見を無視して事業を続行した結果、自然環境、財政措置に対して大きな疑惑と疑問を多くの市民に抱かせ続けています。特に、いわゆるケヤキ・庭石をめぐる汚職事件は市民の憤激を買う大事件となりました。加えて、福岡市は第三セクター、博多港開発株式会社から埋め立て権を396億円で買い取り、今後の事業費約300億円と合わせて新たに700億円の借金を行い、市直轄事業化する補正予算を議会は承認しました。多くの市民は、このまま市長と議会の意向だけで事業を進めることに多くの不安、疑惑、疑問を抱いています。私たちは、これだけの疑問と疑惑があり、環境、財政、生活の全般に影響を持つ人工島事業継続の賛否を、市長や議員だけに任せるのではなく、直接市民、住民に問うてもらいたいと言っているのであります。  このような住民投票による政治参加の方法は、いわゆる直接民主主義と呼ばれるもので、議会の意思とは一応独立した形での住民の政治決定ないし意思表示であります。ここでは、いわゆる代表民主主義と直接民主主義との関係が問題となってまいります。この場合重要なことは、通常、代表民主主義と呼ばれる政治形態についての理解であります。代表民主主義と呼ばれるものには、いわゆる純粋代表民主主義と呼ばれるものと、半、半ばと書きますが、セミ代表民主主義と呼ばれるもの、半代表民主主義あるいはセミ代表民主主義と呼ばれるものがあることに注意しなければなりません。18世紀ないし19世紀、近代国家成立の当初の西ヨーロッパ議会は、一定の有産階級のみが選挙権及び被選挙権を持ち、彼らが議会を構成し、そこで選ばれた代表者は全国民の代表として議会での権限を、いわば白紙委任されたものとして行使できるとされていました。これを純粋代表民主主義と呼んでいます。しかし、これとは異なって、現代憲法、そして日本国憲法でも議会と議員に国民、市民は全権を委任しているわけではありません。国政レベルでも、制度的には憲法違反の法律を制定することはできませんし、裁判所による違憲立法審査がなされ、最高裁判所裁判官は国民投票の対象になっています。人事制度の面でも、憲法第15条の公務員の選定罷免権は本来すべての首長、議会議員を含む公職者を指すと解されています。それ以上に日本国憲法第8章地方自治では、地方自治の本旨、すなわち住民自治、団体自治に基づく立法を認め、地方自治においては議会の解散請求、長や議員の解職請求などの住民の直接請求制度を定めています。これらは、いわゆる純粋代表民主主義白紙委任型議会主義の制度ではありません。住民による直接民主主義と連携した、半、セミ代表民主主義と呼ばれるべきものです。  多くの憲法学者が半代表民主主義ということを述べていますが、憲法学者である杉原泰雄教授は、この問題を次のように適切に指摘しています。選挙は、古典的代表制純粋代表制では、議会、議員に直接な政治問題の処理の方針についても白紙委任、自由委任する機会であったが、現代代表制では、それを公約として人民、住民に提示してその判断を求める機会とすることが求められている。その判断を得ていない場合には、議会を解散して、人民、住民の判断を求めなければならない、と述べております。半代表民主主義セミ代表民主主義では、議会の自立的解散だけではなく、国民、住民の側からの直接請求、条例の制定、議会の解散請求、長、議員の解職請求が当然とされております。  かのジャン・ジャック・ルソーは、純粋代表制白紙委任型代表制の欠陥を痛感し、こう述べたことは周知のとおりです。イギリス人は自由だと思っているが、それは大きな間違いである。彼らが自由なのは議員を選挙する間だけのことで、議員が選ばれるや否やイギリス人は奴隷となりゼロとなってしまうと。住民が奴隷やゼロにならないための工夫の1つが住民投票などの直接請求であり、この活用こそは地方自治の本旨であり住民自治なのです。  さらに、私たちがこの人工島事業について住民投票による住民の意思表示を求める理由は、これまでの事業計画や事業経過についての市民や行政や議会の説明について福岡市民が納得できないからです。近代国家の基本原理とも言うべき公的行為の公開原則、説明責任が十分に果たされていないからです。さきの福岡地裁の裁判官が判示したように、広範囲に根強い反対意見に真摯に耳を傾ける姿勢を示すべきであります。仮に市民への説明がなされたとしても、それが一方的な説示であり、住民の意見を十分に聴取していない公聴会であれば、それは単なる広報、広告にすぎません。改めて事業の説明と真摯な意思の聴取、交換が不可欠と言わなければなりません。  平成15年9月12日の人工島点検を点検する会等市民3団体の福岡市議会議長に対する人工島事業の見直しを求める請願書でも、市長の諮問機関として人工島事業見直し委員会の設置を請願しました。しかし、このような請願も無視され、ここでも福岡市並びに市議会の説明責任に対する熱意の欠如を市民は改めて知らされることになったのです。  主権者たる福岡市民は、数百年とも言ってよい自治のまち、博多の伝統に自負を持ち、さらに将来にわたって国際的に責任を感じる住民、市民として、この人工島事業計画に対して賛否の意思表示を行うべきであると決意し、投票条例制定の署名運動を行ったのであります。そして、有効数をはるかに上回る8万4,015筆の熱い思いと願いを福岡市長並びに福岡市議会に提出しているのであります。福岡市の歴史に長く残るであろうこの福岡市民の住民自治の願いと思いに対して、福岡市民によって選ばれた市長並びに市議会議員として、日本国憲法前文にもいう国民、市民の厳粛なる信託によって行われる市政の歴史に恥ずかしくない対応をぜひともお願いいたしたいと思います。  最後に、最近の福岡県西方沖地震の人工島に対する被害を福岡市民は深刻に危惧しています。まず、全事業の点検を行い、福岡市民だけでなく、全国民、世界の人々に実情を知らせるべきです。そのための前提としても、まず賛否の条例を制定されるよう心から訴え、私の陳述を終わります。どうもありがとうございました。(傍聴席で拍手する者あり) 9 ◯議長(川上義之) 次に、嶽村久美子さん。 10 ◯直接請求代表者(嶽村久美子)登壇 請求代表者の嶽村です。  限られた時間ですので、早口になりますが、用意しております文書を読ませていただきます。よろしくお願いします。  私は、住民投票条例の制定を希望する立場から、多くの方々のお気持ちとあわせて陳述を行います。届け出をした受任者のみが署名を受け取り、自筆、住所、生年月日、捺印が必要、署名ができるのは受任者と同一区内の有権者のみ、しかも期間はわずか1カ月とさまざまな制約を受けての署名でした。しかし、結果は、1万名の受任者で、有権者の7.7%に当たる8万4,015筆の署名を集めました。向こう三軒両隣のうちの1人は署名したことになるこの事実を、議会は重く受けとめていただきたいと思っています。ですから、わずか2日間、市長さんの参加のない委員会での審議と伺って、とても残念です。山崎市長は、去年4月の定例会見で、市政経営戦略プランを公表されました。その中で、コミュニティーの自律経営という考え方を中核に据え、自由闊達で人輝く自治都市・福岡、元気都市・福岡の実現を目指しますと高らかに宣言しておられます。私は、今回の署名運動にかかわる中で、福岡市民の大事なことは自分たちで決めようという機運が日々高まっていくのを実感しました。人工島の是非を問う住民投票条例制定の運動は、市長さんが願っておられる自治都市、元気都市・福岡にふさわしい市民の意識の高まりをもたらしたと思っています。市長さんと議員の方々は、この市民の熱い思いを真摯に受けとめて条例をつくり、住民投票を実現させてください。  私も70名の方に受任者になっていただき、1,012筆集めました。冬の寒空の中、何度も街頭に出ましたし、人の集まるところどこへでも人工島グッズを持参しました。ホッカイロを幾つも身につけて街頭に立たれた高齢の方もおられます。どこでも署名の呼びかけにみずから寄ってこられて、あのケヤキ・庭石の人工島でしょう、こんな署名を待っていました、御苦労さまと声をかけてくださいました。その場で受任者になって、署名簿を持って帰られた方も大勢おられます。山崎市長の住んでおられる地域の受任者の方は、今度の署名は打てば響くどころか、一たん外に出たら打ったら響き返してくるぐらい反応がよかったと感想を述べておられます。本当に市内のあちこちでさまざまなドラマが生まれました。南区の方は、人工島より児童館をと団地を1軒1軒訪問し、何冊も集められました。母子家庭の友人は、30年間続いた就学援助金の削減で教育費が心配、人工島はだれがだれのためにつくっているのかしらと即座に署名してくれました。吹雪の舞う中でも何人もの方が、ごみ袋を有料化するのも下水道料金が上がるのも人工島のせいでしょう、人工島なんかだれもつくってくれって頼んでないわよと凍える手で署名をされました。80歳以上の方全員への敬老金が、80歳、88歳、100歳、101歳以上に限られ、敬老祝品も100歳のみという事実に、年寄りいじめの山崎さんには早くやめてほしいと代筆を頼まれた方もおられます。友人の子供の通う公立保育所を含め7万筆を超える署名、1,000以上の遺憾を示すパブリック・コメントにもかかわらず、保護者や子供たちに混乱を残したままこの4月から一方的に民営化されました。人工島には湯水のように税金をつぎ込んでいるのに、この民営化で7億円の予算削減ができるという市の態度に怒り、署名を届けてくれました。人工島を見直すと言ったから入れたのに、どんどん進めているのはおかしい、うそつき市長やと怒りをあらわに署名をされた方もおられます。青年たちとも一緒に人工島見学に行きました。ここに立っていても、全然希望がわいてこん、ガントリークレーンが1基10億円と聞いて、児童館が10館は建つと悲鳴を上げました。バス停では、人工島の借金は子供たちが背負っていくのよね、しわ寄せで何でも値上がりしてから許せんと走りながら署名をしてくださいました。若いお母さんは、学級懇談会で出したら、私もしたかったのよ、自分たちで決められるっていいよねとあっと言う間に署名簿が埋まり、人工島談義になったということです。かかりつけの病院の医師が診療後に一声かけてくれて、どんどん集まったと言われる方もおられます。議員いじめだと私は言われました。どうしてですか、と理由を伺うと、投票したら絶対みんな反対に投票するから、議員の立場がなくなってしまうだろうと苦笑いをされました。志賀島にお住まいの方は、道路ができて便利になった、開発賛成だね。でも、住民投票で継続の賛否を問うということができるならやってもいいんじゃないかと署名されました。  震災後は、より一層税金の使い方が問われていると思います。能古島に支援に行っておられる方は、人工島より島の人の生活が先なのにと一言。今泉のマンションの崩壊で家族ばらばらの生活を強いられている友人は、市長さんが委員会で人工島の被害が心配だったが大丈夫との発言を聞き、市民の生活より人工島の方が大事なのかしらと落胆しておられました。マスコミで金食い島と称された人工島に使うお金を私たちの生活、社会保障に回してください。人工島へのむだな税金投入をやめて、今回の震災で被害に遭われて不自由な生活を強いられている方々に回してください。  けさ、こんな記事を見つけました。久留米のお医者さんのコラムです。空白地帯と言われていたこの地を大地震が襲った。そして、その余震はいまだに続いている。僕たちは地球という大きな生き物の背中に住まわせてもらっているちっぽけな存在にすぎないのだと改めて思う。医院を開業するに当たり、わずかの土地を買い求めたが、この土地も地球から借り受けているだけなのだ。僕らは地主なのではなく、地球に使えるこの地の番人である、というふうなのが書き始めてありまして、思わず1人で拍手をしました。  最後に、早良区にお住まいの若いお母さんの声を紹介します。今回、署名を集めるまでは、人工島についてお金使っているよな、でも途中までできちゃってるから、このままお金が使われ続けていくんだろうなといった意識しかありませんでした。署名を集めることを知って、人工島は自分たちの力で何とかなるものかもしれないということがわかり、おおっと思いました。また、今回署名を集めるに当たって、いろんな資料を見て公共料金の引き上げ、教育予算の引き下げが、人工島のむだ遣いによる市民へのしわ寄せだと知ったときには強い憤りを感じました。この署名に市長と市議会はどうこたえるのか、すごく気になります。このような感想を本当にたくさんの方が寄せてくださっています。  この住民投票条例案は、人工島についての賛否を述べているのではなく、賛否を市民自身に決めさせてほしいというものです。この条例案に議員の皆さんが賛成されれば、福岡市民はこれを機会に市政に大いに関心を持ち、市長さんの望む自治都市・福岡の称賛の声を浴びることになると思います。主権者である市民の意見が十分に反映され、直接決めることのできる住民投票条例を制定していただきますように重ねてお願いいたします。(傍聴席で拍手する者あり) 11 ◯議長(川上義之) 以上で、請求代表者の意見の陳述は終了いたしました。意見陳述者に退場していただきます。       〔意見陳述者退場〕(傍聴席で拍手する者あり) 12 ◯議長(川上義之) 傍聴の方は御静粛にお願いします。  これより質疑に入ります。発言通告者のうちから順次質疑を許します。吉浦公生議員。 13 ◯63番(吉浦公生)登壇 私は、社民・市政クラブ福岡市議団を代表し、本臨時議会に提案されました議案第197号人工島建設事業の継続について賛否を問う福岡市住民投票条例案について、意見を述べ、質疑を行います。  この条例制定を請求されるに当たり、署名活動等御尽力くださいました代表者の方々を初め、多くの市民の方々にまず敬意を表します。1978年、昭和53年3月9日、公告されました博多港港湾計画では、博多湾東部埋立計画について、陸続きの約550ヘクタールを1989年、平成元年6月23日に公告で改定され、既存海岸線や前面の海域を残した約401.3ヘクタールの島形式の計画に変更されました。人工島の目的は、港湾機能の強化、快適な都市空間の形成、新しい産業の集積拠点の形成、東部地域の交通体系の整備の4点でした。私は、1978年、昭和53年に策定された博多港港湾計画について、1985年、昭和60年第1回定例会代表質問として取り上げました。和白地区約80ヘクタールの干潟は、多くの野鳥が飛来し、生息する我が国有数の宝庫であり、絶対に破壊してはならない自然環境であります。博多湾東部埋立計画は全面的に再検討されることを要請しました。それに対し当時の進藤市長は、和白地区の土地利用については十分検討を行い、干潟等の自然環境の保全については事前に環境アセスメントを実施し、環境の保全と調和を図って計画を進めてまいりたいと考えておりますと答弁されています。その後、検討された結果が島形式に変更され、確保された海域や周辺の海岸線をエコパークゾーンとして積極的な保全を図り、市民が自然と触れ親しむことができる水辺空間として整備されることとなりました。山崎市長は、初当選された直後、大型プロジェクトの見直しを検討することを約束され、市民は大いに期待したところであります。私は、埋め立て方式を島形式に改定され、必要最小限の港湾施設とその近代化と交通体系の整備について議会でも申し上げてきたところであります。そこで、私はここで申し上げたいことは、議会の声、市民の声を行政に反映し市政の執行に当たっていただきたいと思うのであります。今回の住民投票条例案は、市民の声を直接聞くことのできる民主的価値の高い条例であります。そこで、我が会派の住民投票に対する基本的考え方を述べてまいります。また、付託された内容については、第3委員会で質疑をしてまいりたいと思います。  今は、あらゆる分野で参加の時代にしたいと考えます。間接民主主義が活力を低下させている現実の中で、さまざまの分野で参加、直接制民主主義を大胆に組み込むことが必要だと考えます。1996年、平成8年8月に新潟県巻町で原子力発電所建設の可否をめぐり、日本で初めての住民投票が行われました。また、その1カ月後の9月には、沖縄県で米軍基地の整理、縮小問題について住民投票が行われました。その後、各地で産業廃棄物処理施設の建設、万国博覧会の開催、市営空港の建設等の問題に対して住民投票を求める運動が起きています。これらの動きは、自分たちのことは自分たちで決めたいという市民の自己決定権を求めることのあらわれであり、住民自治の原点の発露、多様な民主主義制度の一環であると考えます。これらの住民投票には、当該自治体には権限が認められていない事業であっても地域住民の意思を表明しようとするものであり、国益を強調する中央政府の政策に従属している自治体政治への批判という意味もあります。住民投票は、重要な問題について主権者である住民が判断しようというものであり、主権者たる住民の直接参加という住民自治の原理にかない、地域民主主義の両輪として代議制をより充実させ、民主政治の活性化に資するものであります。自己決定権の拡充を目指す地方分権の重要課題として、より積極的な住民参加の制度が求められていることから住民投票の制度化は必要であると考えます。住民投票に対して衆愚政治につながる、代議制に反するといった批判もありますが、むしろ、議会の側が住民の意思と乖離していることの方が問題であり、議会が公聴会や住民投票を活用することもあってよいと考えます。我が会派は、自己決定権の拡充を目指す地方分権の重要課題として、より積極的な住民参加の制度が求められていることから、提出されている議案第197号には賛同するものであります。  市長の意見書では、本条例を制定する必要はないとの考えを表明されました。しかし、条例制定を法で決めた趣旨から全く外れてはいませんか。例えば、住民投票を実施し、その結果を尊重もし、また、議会の御意見もお聞きしながら、民意を十分行政にも反映していきたいぐらいの意見書は出されないものかと考えますが、いかがでしょうか。  この事業の推進に当たっては、議会制民主主義のルールに基づき議決されたことは認めつつも、条例制定については、日本国憲法及び地方自治法第74条に基づき、ルールに従って直接請求されたものであります。市長は市民の声を素直な気持ちで受けとめ、条例を制定し、市民の意思決定を見守るべきではないでしょうか。行政は民意に耳を傾けない昔ながらのお役人体質に固執しておられるように思われます。市長がお持ちになっている人間性、影が薄く、落ちていくような感じがいたします。なぜ法で定められたルールに従って提出された条例案に対してかたくなな態度をおとりになるのか、不思議というより法の趣旨を理解しておられるのかと疑わざるを得ません。俗に言う対決議案と言われるようなものではありません。市長の意見は既に公表されていますが、法的手続に立って住民投票条例について今後とも同様な態度で臨まれるのか、市長のお考えをお伺いし、社民・市政クラブ福岡市議団を代表しての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(傍聴席で拍手する者あり) 14 ◯議長(川上義之) 傍聴者の方は御静粛にお願いします。山崎市長。 15 ◯市長(山崎広太郎) 住民投票制度そのものには私も関心がございます。今回のアイランドシティ整備事業推進の是非について、住民投票条例の制定を求める市民の皆さん方の御署名が集まったわけでございますが、そのこと自体に私もそういう非常に市民の皆さん方が御心配されておるということはしっかり受けとめさせていただきたいと思いますが、このアイランドシティ整備事業の推進というテーマにつきましては、もう既に、例えば、これまで行われた幾多の、各級の選挙の争点になってきたと、このように思います。そういう既に何度もやはり市民の意思を問う争点として取り扱われてきた問題であると、このように考えておるところでございます。また、この議会制民主主義のルールに基づいて、たびたび、その都度議会において十分な御審議をいただいてまいりまして、議決を得て進めさせていただいてまいったところでございます。最大限の市民参加を図って進めてまいった事業であると、このように考えておりますし、また、市としてこのアイランドシティ推進事業は福岡市の現在と将来にとって大変重要な事業であると、そう確信をいたしておるところでございます。そういった意味で、改めて事業継続の賛否を問う必要は私はないと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。 16 ◯議長(川上義之) 栃木義博議員。 17 ◯40番(栃木義博)登壇 おはようございます。  民主・市民クラブを代表して、議案第197号、人工島建設事業の継続について賛否を問う福岡市住民投票条例案について質問をいたします。  まず冒頭に、質問の視点について申し述べ、本議案に対する私たちの態度をあわせて表明いたします。今回の直接請求の意味は、アイランドシティ整備事業の必要性、継続性について、議会で十分な議論がなされ、民意が反映されたのかどうかを問うものであります。アイランドシティ整備事業については、私たちは市長選挙を目前にした2002年の決算特別委員会総会で、事業の継続か中止かを市民の税負担から評価する損得勘定論を展開して判断の選択肢を提案、以後、今日に至るまで事業の必要性はもとより、事業継続の方法論について積極的に議論に参加してまいりました。私たちは、議会での長期にわたる多面的な議論は手続の上でも実質的にも深められたと理解するものであります。また、現行制度による住民投票については、民意反映の客観性に課題なしとは言い切れない問題もあり、今議案の住民投票条例制定の必要性は見出しがたいと考えます。しかしながら、民主・市民クラブは、アイランドシティ整備事業については今後とも随時検討をすべきであり、新事業スキームの進捗状況をチェックしていく所存であります。また、市民から直接選ばれた市長の説明責任は常にあると理解しておりますので、市長は市民の理解を得るために今後一層の説明責任を果たされるよう強く求めるものであります。  次に、福岡県西方沖地震を受けて、市民の中にはアイランドシティ整備事業の先行きに不安を抱く方も見受けられるところであります。そこで、地震によるアイランドシティ整備事業並びに博多港への影響とその対処方針を明らかにして、本年度より分譲を開始する住宅整備を含むアイランドシティ整備事業の今後と、本市経済基盤の弱体化を不安視する市民に展望を示すことが緊要であると考えるところであります。  以上の視点から、以下質問いたします。なお、質問は第1問目で終結しますので、市長を初め執行部の明快な回答を求めます。  まず、アイランドシティ整備事業継続の必要性と関連して、福岡県西方沖地震の影響とその対処方針について質問いたします。  第1に、10年前に発生した阪神・淡路大震災による港湾施設の被災で、神戸港のコンテナ取扱量が震災前の3分の2までに落ち込んだままだと聞いておりますが、今回の福岡県西方沖地震による被災で、船主や荷主が博多港を避けるという事態が生じなかったのか、また、今後の影響をお聞かせください。第2に、今回の地震による住宅整備を含むアイランドシティ整備事業に対する影響並びにその対処方針をお伺いいたします。  次に、アイランドシティ整備事業の是非をめぐる議会での議論は民意が反映されたのかどうかについて質問いたします。あわせて、現行の住民投票制度について民意反映の根拠とは何かについてお考えをお聞きします。  第1に、執行部は今回の市民による直接請求をどのように受けとめるのかについてお尋ねいたします。第2に、事業の必要性の有無について十分な議論がなされ、民意が反映されたのかどうかの認識をお伺いいたします。また、その理由をあわせてお聞かせください。第3に、直接選挙で選ばれた市長としては、事業の見通しを明確に示すなど市民への説明は十分だったとお考えなのか、所見をお伺いいたします。第4に、直接請求の背景にある市民の声や疑問にこたえるための手だては必要なのか、必要ではないのかお聞かせください。必要であるとすれば、それは何かをお尋ねいたします。第5に、アイランドシティ整備の新事業スキームの見通しが毎年度末に検証される時期に合わせて、各区でタウンミーティングや事業報告会を開くなどして一層市民の理解を得るべきだと考えますが、市長の御所見をお聞かせください。最後に、私たちは、政策に着目して、選挙では十分にあらわせない民意を反映させる住民投票制度そのものの必要性は認識しております。しかしながら、民意反映の客観性に課題を残し、しかも法的効力に欠ける現行制度の欠陥を踏まえると、民意の反映をはかる客観的な基準の設定など、住民投票の制度設計について、今後十分に議論を深める必要があると考えます。幾つかの自治体では、有権者に占める直接請求署名数の割合のあり方など民意反映の根拠づくりや住民投票に付すべき対象案件の選定など、制度設計をめぐってさまざまな議論がなされています。住民参加の市政を進める上で、市長の住民投票制度についてのお考えをお尋ねして、民主・市民クラブの質問を終わります。 18 ◯議長(川上義之) 中島港湾局長。 19 ◯港湾局長(中島紹男) まず、今回の地震による博多港の被災に関してのお尋ねでございますけども、博多港の被災につきましては、岸壁や野積み場等に陥没や亀裂等の被害が出ており、一部の施設については利用制限等を行っておりますが、代替施設の提供や緊急復興等を実施いたしまして、アイランドシティ及び香椎パークポートのコンテナターミナルを含めまして、地震発生後も通常どおりの運営を行っております。博多港を御利用いただいておる船会社、船社代理店、荷主企業等に対しましては、地震後速やかに博多港が通常どおり運営している旨を直接御訪問して説明するとともに、海運業界専門紙、ホームページへの掲載等を通しまして、博多港が通常どおり運営していることを広く御案内をいたしております。この結果、現時点におきましては、博多港を避け、他港の利用に振りかえたという事例は確認をいたしておりません。今後とも早急な施設の復旧を図るとともに、港湾運営並びに港湾関連事業者に対する影響が最小限にとどまるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、今回の震災による住宅整備を含むアイランドシティ整備事業への影響等についてのおただしでございますけども、今回の地震によるアイランドシティ未竣功工区を含めた全体の被災状況につきましては、現在被害状況調査、測量等を行い、施設の復旧方法について検討を行っているところでございますが、これらの被災箇所については平成17年度内には復旧できる見込みであり、全体の工事工程に影響はないものと考えておるところでございます。また、既に埋立工事等が完了いたしている住宅を含む分譲地につきましては、液状化等の現象は発生しておらず、また、岸壁やヤードにつきましては、荷役作業に支障がないよう緊急復旧し、翌日から通常の作業を行うなど港湾機能を十分果たしているところでございます。したがいまして、地震による今後の企業誘致、土地処分への影響はないものと考えておるところでございます。しかしながら、地震の影響等について心配をお持ちの市民や企業の方々もおられると思いますので、既にホームページ等で情報を発信いたしておりますが、風評被害が起こらぬよう地震の影響がないことを引き続き情報を発信してまいりますとともに、公園や広場などのオープンスペースの配置や電線類の地中化を進め、災害に強いまちの形成に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。  次に、今回の直接請求をどのように受けとめているかとのおただしでございますけども、アイランドシティ整備事業の推進に当たりましては、これまでも法令で定められた手続のみならず、できる限り多くの機会を設け市民の方々の御意見をお伺いするとともに、いただいた御意見を反映するよう努めてきたところでございます。今回多数の署名をもって直接請求が行われたことにつきましては、アイランドシティに対する市民の関心の高さを感じるとともに、真摯に受けとめているところでございます。  次に、十分な議論がなされ民意が反映されたと認識をいたしておるかとのおただしでございますけども、アイランドシティ整備事業の必要性等につきましては、公有水面埋立免許出願に先立つ市民意見発表会の開催や出願書の縦覧、及び博多港開発株式会社工区の新事業計画取りまとめの際の市民意見募集、あるいはタウンミーティングの開催など、さまざまな機会をとらえて市民の方々に御説明を行うとともに、御意見をお聞きしてまいったところでございます。また、市民の代表である議会におきましても、平成5年6月に当該埋め立てに関する同意の議決、さらには、毎年度の予算案についても御審議をいただき、議決を得ているところでございます。今後とも積極的に市民の方々の御意見をお伺いするなど、理解を得ながら進めてまいりたいと考えておるところでございます。  次に、市民への説明は十分だったと考えているのかとのおただしでございますけども、アイランドシティ整備事業につきましては、平成14年に博多港開発株式会社工区にかかわる新事業計画の取りまとめに当たっては、事業着手後の社会経済情勢の変化を踏まえた新たなまちづくりのコンセプトや土地利用のイメージ及び処分計画、収支計画をさまざまな機会をとらえて御説明をしてまいったところでございます。また、今回の博多港開発株式会社第2工区の埋め立て権の譲り受けに際しましても、新たな事業計画を広く市民の方々にもお示しをいたしております。今後とも出前講座や現地での説明、案内などの充実、活用を図りながら多くの市民の方々の御理解と御協力を得ながら円滑な事業の推進に努めてまいりたいと考えております。  次に、市民の声や疑問にこたえる手だてが必要と考えたのかというおただしでございますけども、先ほども申し上げましたように、今回の住民請求につきましては、真摯に受けとめ、今後とも市民の方々の御理解を得ながら事業に取り組んでまいることが必要であると考えております。このため、出前講座の積極的な活用や市政だよりへの掲載など広報、PRの充実を図り、積極的な情報提供に努め、市民の方々の御意見を反映しながら取り組んでいくとともに、現地へ御案内し、アイランドシティを実感していただく機会を設けるなど、事業に対する御理解を一層深めていただくよう努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。以上でございます。 20 ◯議長(川上義之) 山崎市長。 21 ◯市長(山崎広太郎) アイランドシティ推進事業に対する市民の御理解を得るための努力につきましては、今港湾局長が答弁をしたとおり、最大限の努力を続けてきておると、こういう状況でございます。アイランドシティもだんだん形を見せております。既に住宅建設も着工しておる。中央公園の整備も進んでおると、こういう状況で、私はやはり直接市民の目に触れることによって市民の理解も深まってきておると、こう理解をいたしておるところでございまして、改めてこのアイランドシティ整備事業が福岡市のため、また、市民のために役に立つ事業とするために最大限の努力を図ってまいりたいと、このように考えておるところでございます。  住民投票制度の問題、活用の問題でございますが、確かに住民の総意を聞く、そういう場面があるかと思います。ただ、今回のアイランドシティ整備事業につきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、既に数年の経過を経ておるところでございまして、常に市民の意思を問う各級選挙でも最大の争点として行われてきた問題であると、このように考えておるところでございます。この議会においても、また、市民と行政側とのやりとりにおいてもいろいろな意見の交換がなされ、いろいろな創意工夫が図られてまいった事業だと思いますが、それを住民投票という形で二者択一でですね、賛成か反対かだけでこの結論を出すという、この制度をこの事業に使うということについては私は甚だ疑問だと、こう考えておるところでございます。そういった意味で、御指摘のとおり、民意を吸収していく、反映させていくと、こういう努力はこれからも続けてまいりたいと、このように考えておりますが、私は福岡市のため、市民のためにこの事業はぜひこれからも推進させていただきたいと、このように考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。 22 ◯議長(川上義之) 比江嶋俊和議員。 23 ◯45番(比江嶋俊和)登壇 私は、日本共産党市議団を代表して、議案第197号、人工島建設事業の継続について賛否を問う福岡市住民投票条例案について、賛成の立場から質問をいたします。  本条例案は、直接請求代表者の意見陳述でも述べられましたように、市政の大事なことは住民みずからの意思で決めたいという住民自治の精神によって提出されたものであります。今、人工島事業は福岡市の将来を左右する最大の焦点となっております。このまま事業を継続して本当に市民のためになるのかとの率直な疑問を持ち、その是非を住民投票で問うべく自覚的な市民運動として直接請求署名が取り組まれました。  そこで、質問の第1は、8万4,015筆という署名の重みについてであります。  御承知のように、直接請求署名は1カ月という定められた短期間に有権者の50分の1以上を集めなければならず、署名の方法も通常の請願署名と異なり、さまざまな厳しい制約を課せられています。直接請求代表者の委任を受けた受任者しか署名を集めることができず、しかも、1人1人署名の日付、生年月日、捺印等を求められており、その上に受任者の同一行政区でしか署名を集めることができないというものです。こうした困難な条件のもとで、全市で1万人を超える受任者を組織し、8万4,000筆を超える署名を集めることができたのであります。選挙管理委員会の審査を経て有効署名数は7万6,922人であり、実に直接請求要件約2万2,000人をはるかに上回る3.5倍の数であります。このことは市民が立場の違いを超えて、いかに人工島事業の継続に対して住民みずからの意思で決めたいと思っているかを如実に証明をしております。お尋ねしますが、山崎市長は、今回の住民投票を求める8万4,000人以上に上る直接請求署名の重みをどのように受けとめておられるのか、御所見をお伺いいたします。  質問の第2は、住民投票の意義と役割についてです。  山崎市長は、本条例に付した意見書で、住民投票条例を制定する必要はないとしております。その主な理由に、先ほどの答弁にもありましたように、人工島が既に着工され、アジアに向けた都市戦略上、長期にわたる大規模な事業であり、公共性も高い、あるいは市民の代表で構成される議会で、事業予算も同意の議決を得てきたことなどを意見書で付されております。しかしながら、福岡市の将来を左右する大規模事業であるからこそ本条例案の第1条は、人工島事業の継続が福岡市の行財政と市民生活に重大な影響を及ぼすとして、その賛否を住民みずからの意思で問うことを求めているのであります。公共性の高い大規模事業だから市民は口出しするなと言わんばかりの市長の姿勢はおよそ住民自治とはかけ離れたものであり、また、市民がどんな意見を持っていても議会の多数の議決を得て進めていさえすれば事足りるとした市長の考えも、民主主義の何たるかをわきまえないお粗末な認識だと言わざるを得ません。戦後、日本国憲法は、その第8章に地方自治を定め、その求めるところは住民自治の保障にあります。この立場から地方自治法の第12条及び第74条には、住民が直接自己の意思を表示するための条例制定または改廃等を請求できる直接請求権を保障しており、その解説書である逐条研究地方自治法は、直接請求の制度は代表制民主主義の欠陥を補完するもの、住民の側の地方政治への参加の手段として有効性を発揮するとしております。そこで、市長にお尋ねしますが、この地方自治法に定められた直接請求権に基づいて提出された今回の条例案による住民投票は、人工島事業に対して民意が正確に反映されるとともに、住民自治の役割がより豊かに発揮されることになると思いますが、御答弁を求めます。  質問の第3は、人工島事業に対する市長と議会の責任についてであります。  もともと401ヘクタールの海を埋め立てる人工島建設は、その計画の段階から自然環境の破壊を招くと12万人もの市民の反対請願が出され、公金支出中止を求める住民訴訟まで起こるなど極めて大きな問題を抱えた事業でありました。こうした市民の声を市長と議会与党各派はことごとく無視して事業を着工させてきました。その結果、皆さん、市民に何がもたらされたでしょうか。第1には、世界有数の水鳥の生息湿地である和白干潟の汚染が進み、渡り鳥が激減するなど自然環境破壊を招いた。2つ目には、税金を使わない独立採算事業と公言していたにもかかわらず、埋め立てた土地は売れず、2,000億円ものの公金投入の新事業計画や第三セクター博多港開発2工区の市直轄化で700億円ものの借金を余儀なくされるなど危機的な財政破綻を招き、3つには、その結果として、公共料金の値上げや福祉の切り捨て、教育予算の削減など市民生活が脅かされ、4つには、ケヤキ・庭石事件という政治腐敗まで起こし、今や人工島は漂流する金食い島と言われるまでに行き詰まっているのが実態であります。一体これはどこに責任があるのでしょうか。お尋ねしますが、これは、市長が見通しを誤り、人工島見直しを求める市民の意見に逆らって過大な開発にやみくもに突っ走り、それを議会がチェックできずに追認してきたからではありませんか。山崎市長の答弁を求めるものであります。  以上で1問目を終わり、2問目以降は自席より行わせていただきます。 24 ◯議長(川上義之) 中島港湾局長。 25 ◯港湾局長(中島紹男) 今回の条例が制定されれば民意が反映されるのではないかとのおただしでございますけども、アイランドシティ整備事業は、より豊かな市民生活の実現やさらなる地域経済の活性化を図る上で重要な事業であり、また、その推進には市民の方々の御理解が必要不可欠であるものと考えております。事業の推進に当たりましては、法令に定められた手続にのっとって、市民の代表で構成される議会において関連議案を御審議いただき、議決を得るとともに、埋立免許出願に先立つ市民意見発表会の開催や出願書の縦覧、及び博多港開発株式会社工区の新事業計画取りまとめの際の市民意見募集、あるいはタウンミーティングなど、市民の皆様の御意見を伺うとともに、これらの御意見を事業に反映させるよう努めてまいったところでございます。  次に、市民の意見を聞いていないのではないかとのおただしでございますけども、アイランドシティ整備事業の着手に当たりましては、事前に地元説明会や市民意見発表会を開催するとともに、埋立免許出願書の縦覧時における市民からの意見聴取などに努めてまいったところでございます。事業の着手後につきましても、新事業計画取りまとめの際の市民意見募集やタウンミーティングの開催など、さまざまな機会をとらえて市民の方々に直接御説明し、御意見を伺うなど理解を得ながら進めてきたところでございます。今後ともさまざまな機会をとらえて積極的に情報提供を行うなど、市民の方々に御理解を得ながら着実に進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。以上でございます。 26 ◯議長(川上義之) 山崎市長。 27 ◯市長(山崎広太郎) アイランドシティ整備事業は、長期にわたる大規模な事業であり、公共性も極めて高いことから、事業推進に当たってはこれまでも市民意見発表会やタウンミーティングの開催などさまざまな機会をとらえて市民の方々に御説明し、御意見を伺うなど御理解をいただきながら進めてきたところであります。今回の条例制定に係る直接請求が多数の署名をもって行われたことにつきましては、アイランドシティに対する市民の関心の高さを感じるとともに重く受けとめております。今後とも、本市の都市政策上必要不可欠なこの事業について、議会や市民の方々に積極的に情報提供を行うなど御理解を得ながら取り組んでまいりたいと考えております。 28 ◯議長(川上義之) 比江嶋俊和議員。(発言する者あり)答弁漏れありますか。答弁漏れありますか。ないですか。はい、比江嶋俊和議員。 29 ◯45番(比江嶋俊和) まず、私が指摘した人工島事業が何をもたらしたのか、この数々の問題についてから入ります。  港湾局長は、何ら私が指摘した問題点に責任を感じておられない。これまでの取り組みの結果、国際コンテナターミナルの供用開始、住宅の整備事業の推進、この意見書でもその成果が確実にあらわれてきている、こういうことを豪語されている。とんでもありませんじゃないですか、これは。一体、人工島に6万トン級の船が1隻も入港していないということを市長自身が知らないじゃないですか。土地が売れないから無理やり住宅供給公社に住宅をつくらせたんじゃないですか。これで人工島事業が成果をあらわしてきている、まさに詭弁ですよ、これは。全くこの間の失政を顧みない、開き直った答弁です。今度の地震でも液状化を起こした人工島の行く末に市民はますます大きな不安を感じていますよ。市民の安全よりも人工島の方が大事なんですか。  それでは、そのもたらした問題について、まず人工島が自然環境を破壊してきた問題について尋ねます。振りかえれば、この人工島事業は、環境破壊を危惧する市民の声を無視し続けてきた歴史でありました。1992年の環境アセスメント縦覧では多くの市民が反対意見を上げ、翌93年、国際自然保護連合や国際水禽湿地調査局、世界自然保護基金日本委員会など国内外の環境保護団体から福岡市長に人工島中止を求める声明が出される中、市民12万人の人工島計画見直しと博多湾のラムサール条約登録湿地への指定を求める請願署名が提出をされましたものの、市長はこれを無視し、議会与党各派はこれを否決した。94年の埋立免許の出願に際して局長は、市民に説明し、定められた手続にのっとって進めたというが、当時の福岡県知事は、重大な環境影響を及ぼすと、こういう意見書を出したにもかかわらず、あなたたちは事業を強行着工した。住民が起こした98年の人工島事業公金支出差しどめ請求裁判地裁判決では何と言っていますか。これは、先ほど石村請求代表者も述べられましたように、福岡市は反対意見に真摯に耳を傾ける姿勢に欠けるところがあったと、こう批判し、この際、本件整備事業を抜本的に見直すということさえ1つの政治的な決断とまで指摘したのであります。しかしながら、桑原前市長も山崎市長も何の見直しもせず事業を続け、その結果、貴重な和白干潟は破壊され、事業開始前の93年冬季、埋め立て周辺地区に2万6,000羽以上いた水鳥は2003年には1万5,000羽と1万羽以上も激減してしまった。どうですか。これらの経緯からしても、市民が心配していたとおり、あなたたちが進めた人工島事業が博多湾の自然環境を破壊したのは明らかではありませんか。明確な答弁を求めます。  また、人工島による財政破綻と市民生活切り捨てについてはどうか。計画当初、事業の採算性についても、多くの市民から疑問が出され、野村総研を初め経済関係者からも計画どおりには進まないと指摘されていたにもかかわらず、あなたたちは、人工島事業は造成した土地を売ったお金と港の使用料で賄う独立採算事業だから、市民には迷惑をかけないと言って着工しました。そうですね。それから10年たったが、埋め立てた土地は全く売れず、そのため山崎市長が人工島の破綻救済で使った税金は膨大になる一方、この間、生活保護福祉見舞金廃止、敬老無料パス縮小、老人医療費助成制度の削減、国保料の連続引き上げと教育予算の大幅削減、そして、この2005年度からの家庭ごみの有料化や下水道料金の値上げ、敬老金のカット、公立保育所民営化など市民生活を大きく圧迫してきております。市長に尋ねるが、これも市民が心配していたとおり、人工島事業の採算が合わず莫大な借金をつくり、その穴埋めに市民生活を切り捨てることになったと思うが、違いますか。責任ある答弁を求めます。
     そこで、山崎市長、ふんぞり返っている場合じゃないですよ。こうして私が上げた数々の失政に対してですね、山崎市長は8万4,000という署名の重みに対して何らまともにこたえようとしていない、この8万4,000の署名に対して。人工島に対する関心が強い、本当に市民は不安を持って関心を示しているんですよ。そして、重く受けとめていると言うんだったら、どうして住民投票を否定するんですか。矛盾しているじゃないですか。今後とも人工島整備事業について市民の理解が得られるように努力していくと言われましたが、この10年間あなたたちのそういうやり方に対して市民の批判があるからこそ、今回8万4,000筆以上ものの住民投票を求める署名が集まったのではありませんか。市長には、この署名の重みが全然わかっていない。8万4,000という数字は福岡市有権者の13人に1人が、5、6世帯に1人が署名したことになるんですよ。一体この直接請求署名に市民のどんな思いが託されているか。東区で受任者になった母親は、これまで政治に余り関心がなかったし、こういった署名運動にかかわったこともなかったけれど、子供たちの将来を思い、人工島のことは自分たちで決めたいと署名を集めました、ぜひ住民投票を実現してください、と言われています。中央区のお年寄りは、介護保険料を払っているのに何年も特別養護老人ホームに入れない。福祉が大事か、人工島が大事かと、寒い雪の中、不自由な足を引きずって毎日署名を集めて回った。お年寄りの願いをかなえてほしい、と語っておられました。南区のある町内会長さんは、市長選挙は山崎さんに入れたが、人工島だけはいかんばい、と言って受任者になり、たくさんの署名を集められました。私も署名を訴えましたが、初め人工島に賛成だったけど、ケヤキ・庭石事件が起こったり、余りにも税金の使い過ぎだ。今からでも遅くない、みんなで決めた方がいい、と署名に応じてくれた人や、私たちも署名できないんですかと残念がる未成年者の方も多くおられました。わずか1カ月間という制約された期間でしたが、どこでも後から後から署名させてほしいと殺到し、人工島事業に対する批判は8万4,000にとどまらず、圧倒的市民の中に渦巻いていると、署名を集めた受任者の皆さんは口々に語っておられます。いかがですか、市長。この8万4,000という署名は人工島に対する圧倒的な世論を代表するものであり、幾らあなたたちが議会の議決を得て進めてきたと言っても、市民は決して納得していないということではありませんか。明確な答弁を求めます。  次に、住民投票を行えば、人工島事業に対する民意が正確に反映できるのではないかという私の質問に対して、中島港湾局長は何らまともに答えていませんよ。この間市民に理解を求めるさまざまな市民意見を募集してきた、タウンミーティングをやったと。あのタウンミーティングはさんざんたるものだったじゃないですか。集まった人たちからみんな批判が出たでしょう。あなた出席したんですか。本当に事業の推進に当たって議会制民主主義のルールに基づいて議会に十分な審議をして議決を得て進めてきたと、市長も港湾局長も相変わらずの答弁なんですよ。私は議会を否定をしているんじゃありませんよ。人工島に対する市民の世論のことを言っているんですよ。こうした市民の思いが否定されてきているから、今市民は市長や議会に対して大きな政治不信を募らせているのではありませんか。先ほども述べたように、住民投票という手段は地方自治法に定められた直接請求権の行使であります。これは議会が──よく皆さん、聞きなさいよ、これ。議会が時として住民の意思から遊離したり、その意見に反して代表者らの、これは市長も我々議会も代表者です。その意思に反して代表者らの独断によって行われるおそれのあるときには、その歯どめとなるものです。そのために、この間、他都市においても大型公共事業や合併の是非など市政の重要な問題について住民投票を求める声が大きく広がってきております。1998年の神戸市の神戸空港建設、翌99年には名古屋市の藤前干潟埋め立て、2000年の徳島市、吉野川可動堰建設、2004年の大阪市の非核・無防備平和都市条例等々です。世界的にもアメリカなどではほとんどの州で住民投票制度が定着しています。今、大事なことは自分たちの意思で決めたいという住民投票は、まさに時代の流れとなっているのであります。そこで、この住民投票が必要ないという山崎市長の考えはまさに時代おくれではないかと思うが、所見のほどをお伺いします。  次に、2問目の最後に、改めて人工島事業に対する市長と議会の責任について尋ねますが、大体山崎市長、あなたは98年の市長選挙で人工島を見直すと言って市長になった。ところが、あなたは何ら事業を見直すどころか、前桑原市長以上に今人工島に血道を上げています。これは明確な公約違反ですよ。市長だけではありません。議会も一体どれだけの議員が人工島事業に対する自分の立場を明確にして、選挙で市民の審判を仰いできたでしょうか。8万4,000という住民投票を求める今回の直接請求署名は、そうした市長と全議員に投げかけられた説明責任が厳しく問われているのであります。住民投票を行えば、行政と議会によって無視されてきた争点が明確に取り上げられ、市民の意思が正確に反映されることにより、まさに自治都市・福岡にふさわしい真に民主主義が徹底されることになります。したがって、本市の将来を左右する人工島建設事業の継続について、今こそ立場の違いを問わず、市民に争点として提起して、その判断を市民に仰ぐべきではありませんか。これは助役からの責任ある答弁を求めるものであります。  以上で2問目を終わります。 30 ◯議長(川上義之) 中島港湾局長。 31 ◯港湾局長(中島紹男) まず、博多湾の自然環境を破壊したのではないかとのおただしでございますけども、アイランドシティ整備事業につきましては、平成元年度の港湾計画におきまして、それまでの陸続きの埋立計画を和白干潟周辺の豊かな自然環境を守るため、島方式の埋め立てに変更したものでございます。さらに、和白干潟とその周辺をエコパークゾーンと位置づけ、自然と人との共生を目指して、御島地区の砂浜の整備、覆砂等による水質、底質の改善、塩浜地区における生物環境に配慮した石積み護岸の整備などを順次進めているところでございます。また、事業に先立って環境影響評価を実施するとともに、工事の実施に当たりましては、水質、野鳥、底生生物などの周辺環境のモニタリング調査を行いながら、慎重に工事を進めてまいったところでございます。これまでのモニタリングの結果、特に問題となる変化は見られていないとの評価を環境モニタリング委員会からはいただいておるところでございます。今後とも豊かな自然環境と調和をしたまちづくりを進めてまいりたいと考えております。  次に、人工島事業が市民生活を圧迫することになったのではないかとのおただしでございますけども、アイランドシティ整備事業につきましては、これまで国及び福岡市が港づくりエリアを、博多港開発株式会社まちづくりエリアをそれぞれ整備するなど、お互い分担をし連携しながら取り組んできたところでございます。このうち、福岡市工区につきましては、岸壁や道路等を除き、一般会計から独立した港湾整備事業特別会計により整備を進めてきているところでございます。  次に、署名が集まったことに関してのおただしでございますけども、今回の直接請求において多数の署名が集まったことにつきましては、先ほども申し上げましたとおり、真摯に受けとめているところでございます。これまでも事業の推進に当たっては、法令に定められた手続にのっとって、市民の代表で構成される議会において埋立免許出願時の埋め立てに関する同意や、毎年度の予算案などについて御審議をいただき議決を得るとともに、さまざまな機会をとらえて市民の方々に御説明し、御意見を伺うなど理解を得ながら進めてきたところでございます。今後とも議会や市民の方々に積極的な情報提供を行うなど、御理解を得ながら事業に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。以上でございます。 32 ◯議長(川上義之) 鹿野総務企画局長。 33 ◯総務企画局長(鹿野 至) 住民投票制度のお尋ねについてでございますけども、間接民主制を基本とする我が国の地方自治制度において、間接民主制を補完する制度であるとともに、多様化する市民ニーズを市政運営に反映する市民参画手法の1つであると認識いたしております。(傍聴席で発言する者あり)しかしながら、住民投票については、長や議会の本来の機能や責任との関係をどのように考えるのか、また、複雑な行政課題について二者択一の設問では民意を的確に反映させることができるのかなど制度上の問題点も、国の地方制度調査会の答申などにおきましても指摘されており、制度の導入に当たりましては慎重に検討する必要があると考えております。以上です。 34 ◯議長(川上義之) 傍聴の方は御静粛にお願いします。山野副市長。 35 ◯副市長(山野 宏) アイランドシティ整備事業は、アジアを初めとします世界とのゲートウエーとして博多港の機能強化を図るとともに、先進的なまちづくりや新しい産業の集積を進めるものであり、本市の都市戦略上重要な機能を担うものであります。この事業の推進に当たっては、市民の皆様の御理解が必要不可欠であることから、事業の着手前を初め、事業の進展に応じたさまざまな場面で市民の方々に御意見をお伺いする機会を設けるとともに、ちょうだいした御意見の反映に努めてまいりました。また、市民の代表で構成される議会においては、埋立免許出願時の埋め立てに関する同意や、毎年度の予算案などについて御審議を重ねていただいたところであります。しかしながら、今回の条例制定の直接請求が多数の署名をもって行われましたことにつきましては真摯に受けとめております。今後とも積極的に情報提供を行うなど、市民の皆様の御理解を得ながらこの事業を着実に進めてまいりたいと考えております。 36 ◯議長(川上義之) 比江嶋俊和議員。 37 ◯45番(比江嶋俊和) いろいろ今御三方の御答弁を聞いていますと、結局あなたたちはさまざまな言いわけをして人工島事業継続の賛否を問う住民投票をやりたくないと、この一言に尽きる答弁ですね。港湾局長は、自然環境破壊をしてきていないと、とんでもないことを言われましたけども、歴史的に国があの和白干潟を国設鳥獣保護区に指定したいと、ラムサール条約の登録湿地にしていきたいと、そういう打診があったのに、断ったのは福岡市じゃなかったんですか。しかもですよ、あなたたちは財政破綻していないみたいに言われるけど、税金投入しないで、市民にはびた一文迷惑かけませんと言っていたんですよ。どれだけ税金投入したですか。まさにこれ山崎市長、二重の公約違反ですよ。そうじゃないですか。さらに、総務企画局長は、間接民主制を基本として云々と言われましたけども、これもですね、この間接民主主義を補完するものとして、今全国的にこの住民投票をやらなければいけないと、こういう声が起こっていることを真っ正面から受けとめない。まさにこの時代おくれな答弁をされているわけです。  いずれにしましても、これがあなたたち、山崎市長、これがあなたの言う市民参加の市政ですか。それとも、住民投票で賛否を問われるのが怖いんですか。実施すれば、きっと人工島事業は圧倒的市民から否決されますよ。されないと言われる方はやってみたらいいじゃないですか。住民投票が必要ないということは、詰まるところ市長は、市民を信用できないということですね。この住民投票を求める市民の思いを退ければ、市長も与党各派も市民の怒りと批判はもっと大きくなりますよ。市民を信用できない、そんな市長さんならやめてもらった方がいい、こういう声すら南区では上がっているんですから。今回の、いいですか、今回の人工島事業に対する住民投票を求める条例案は、24年前の1981年、博多湾の埋め立てをめぐって全国に先駆けた環境影響評価条例であるまちづくり条例制定の直接請求運動に取り組んだ、住民自治を求める市民の熱き思いが脈々と受け継がれて提出されたものであります。市長は、この歴史的な重みを知るべきです。そして、今度こそ住民投票でその是非を市民に仰がなければ、私がるる指摘してきましたように、人工島事業の継続は一層自然環境破壊と借金地獄という取り返すことのできない大きな負の遺産を次世代に残しかねません。一体、主権者である市民が市政に直接参加して、大事なことはみずからの判断で決めたいと意思表示をしているものを、市長や我々議会がこれを押しとどめる権限がどこにあるでしょうか。住民投票が議会制民主主義を否定するとでもいうのでしょうか。決してそうではありません。現行の代表制民主主義は選挙のときのみ自分の自由な意思を表示できますが、一たん代表を選出した後は、かえってその代表者任せっきりになったり、往々にして公約違反に対しても従わざるを得なくなります。住民投票はこうした欠陥を補完して、真の住民の意思による行政を保障する直接の手段となるものであります。それがために実際に1996年の新潟県巻町の原発反対を皮切りに、97年、岐阜県の御嵩町産廃処分場、沖縄県名護市の基地建設、2000年、徳島市の吉野川可動堰建設等の是非をめぐって住民投票が実施されるなど、その数は今日何と350自治体にも上っており、地方自治の本旨たる住民自治の流れは確実に全国で広がってきているのであります。いいですか、我が国で最初に住民投票を実施した新潟県巻町の町長さんは、主権者である住民が望むのであれば、どんなテーマも住民投票にかけてもいいと思っています。これはいいけどそれはだめだなんて、よそから口出しするのはおかしい、と語っています。今、この立場こそ市長や皆さんたちに求められているのではありませんか。山崎市長、あなたは常々自治都市・福岡を標榜され、本条例案意見書の中でも最大限の市民参加を図ってきたと述べておりますが、あなたが本気でそう言うなら、住民自治を発展させるためにも、負の遺産をこれ以上大きくしないためにも、市長も議会も一たん立ちどまって真摯に市民の声に耳を傾け、人工島建設事業の継続について賛否を問う本条例案制定を否定する市長の意見書を撤回して、直ちに住民投票を実施すべきだと思いますが、最後に山崎市長の答弁を求めて、私の質問を終わります。 38 ◯議長(川上義之) 山崎市長。 39 ◯市長(山崎広太郎) 住民投票制度についていろいろ御意見を述べられたわけでございますが、確かに今地方自治体も非常に多種多様な民意の反映の方向を模索しておると、特に小さな町村ではやはり直接的に住民の声を聞くということは現実的なお話だろうと思います。そのかわり議会は縮小して、シティーマネジャー制度かなんかでやるということになるのかもしれませんけれども、しかし、大きな都市でこれだけの多くの市民の意見をまとめていくということは、やはり最もすぐれた制度は間接民主主義議会制度だと、福岡市の議会はよく機能しておると、このように思っております。私も市長としてですね、この定例議会でのやりとりというか、ことは非常に大事に考えております。皆さん方を通して私は市民世論というのをやはり受けとめることができると、このように考えておるところでございます。  今度のアイランドシティ事業の推進の是非というのは、たびたび御答弁しておりますように、いろんな選挙でも争点になっております。今まさに選挙があっておって、これもまた争点として取り上げられておるようでございまして、十分市民の意見は反映できると、このように考えておるところでございまして、私はこの人工島事業は、アイランドシティ事業については市民の大半が支持されておると。非常に強烈な支持をいただいておる。(発言する者あり)いや、だから、8万数千名の方の署名は、やはり私は非常にアイランドシティ事業を心配されておられる方の声だと、このように受けとめてですね、これから市民の意見も、また議会の意見もきちっと尊重して進めさせていただきたいと考えております。 40 ◯議長(川上義之) この際、暫時休憩いたします。                                         午前11時50分 休憩                                         午後1時53分 開議 41 ◯副議長(大石 司) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。原田祥一議員。 42 ◯52番(原田祥一)登壇 私は、日本共産党市議団を代表し、我が党比江嶋議員の質問を補って質疑を行うものであります。  そもそも、今回多くの市民が直接請求を行うに至った理由は何かと言えば、人工島の計画が破綻をして、マスコミからも、どうする金食い島、泥沼人工島、公金で穴埋めなどと書かれる事態になり、救済に巨額の税金が投入され直轄化まで打ち出される一方、ごみの有料化など、ツケが市民に回されるという状況がつくられたからであります。加えて、10億円のむだ遣いをして政治家らにその半分近くが渡ったというケヤキ・庭石事件の発覚で、人工島で何が行われているのかわからないという疑惑が浮上したこともあるでしょう。以上のような状況のもとで、市民が住民投票で事業継続の是非を問うべきだというのは当然という立場から、何点かにわたってお尋ねをしてまいります。  まず第1は、市長が本議案に対する意見書で述べている事業継続の必要性についてであります。  市長は、都市機能用地について、先進的なまちづくりや新産業の集積を進めるものであり、本市を初めとする九州、西日本の市民生活や地域経済の活性化に大きく貢献するとしています。しかしながら、今回直轄化を決めた市5工区が、本当にそのような理由が成り立つでしょうか。もともと都市機能用地については、サイエンスパークを核としたまちづくりを行うというのが当初計画でした。ところが、サイエンスパークは何年かけて検討しても構想すらできずじまいでした。そして、博多港開発の1工区は竣功したものの土地需要は見込めず、土地処分ができない。こうした中で、山崎市長が破綻を救済するためサイエンスパーク用地を公園用地に変更して土地を買い、また、本来博多港開発の負担で行うべき道路や下水道など、インフラの肩がわり整備まで行ってきたのであります。さらに、1人の児童もいないのに、本年2月議会では小中学校用地の購入で博多港開発の経営破綻を救済しました。以上のように、会社1工区の実態を見る限り、今回直轄化する市5工区の埋め立てを継続する必要性は認められないという市民の声は当然ではないかと思いますが、市長の所見を伺います。  2点目は、港づくり及び市3、4工区についてであります。市長は人工島における港湾施設と同関連用地について、成長著しいアジアとのゲートウエーとして、大水深の航路しゅんせつや最新鋭のコンテナターミナルの整備等、博多港の機能強化を図るなどと、その必要性について意見を付しておられます。しかし、大水深の航路や岸壁が本当に必要なのか、また、広大な港湾関連用地がこれ以上必要なのかについては多くの市民が疑問を呈しているところであります。今、確かにコンテナ貨物量はふえております。しかし、博多港における取り扱い貨物量の総量は横ばい状態にあり、在来貨物がコンテナにシフトしているだけなのであります。入港船舶で見るなら、コンテナ船で現在ふえているのは2万トン以下の小型船であり、大水深を必要とする大型コンテナ船は減少しているというのが実態であります。しかも、市長の言うアジアとのゲートウエーという関係では、大型船舶の定期就航はありません。このような中で15メートルの航路をしゅんせつし、同岸壁を2バースもつくる必要がどこにあるのか、市民にわかる説明を求めるものであります。あわせて、既に竣功した港湾関連用地等は44.8ヘクタールにも上り、この上、本市3、4工区を埋め立てる必要性があるのか、具体的な土地需要についてお尋ねします。  第2は、事業継続が市財政と市民に及ぼす影響についてであります。  もともと、市工区の埋立事業で投資される1,337億円の事業費について、本当に回収できるのかとの強い疑問が市民から突きつけられていました。その上、会社2工区の直轄化で、さらに約700億円の投資を行うのであります。こうした中、市長は新年度、港湾局に土地利用推進課を新設しました。同課の仕事は港湾局の所有する既存の土地を処分することであり、既に新聞でも報道されたように、中央ふ頭を経済振興局に買わせるなどが具体化されていくことになるのであります。そこでお尋ねしますが、財産を食いつぶし、他局の予算までつぎ込まなければ人工島事業は継続できないということではないのか、明確な答弁を求めます。  2点目は市民への影響に関してです。市長は、独立採算という市民との約束をほごにして、博多港開発株式会社の救済のため、売れない土地の買い上げ、インフラの肩がわり整備、増資に緊急融資、また住宅供給公社による土地購入などなど2,000億円に上る税金、公金の投入を決め、既に337億円を費やしています。その一方で、新年度、家庭ごみの有料化、下水道料金の値上げなど、総額45億円に上る負担増を市民に求めました。まさに、ツケは市民にであります。人工島事業を継続すれば、新たな破綻救済を含め、さらに巨額の税金が投入され、さらなる市民負担がもたらされることは明白ではないかと思いますが、答弁を求めるものであります。  第3は、山崎市長が住民投票条例を制定する必要はないとする真意についてであります。  市長は意見書の中でも、また我が党比江嶋議員への答弁でも、市民に対し説明はその都度都度に行ってきており、また議会でも同意を得て進めてきたことを強調し、住民投票条例の必要性を否定されております。しかるに、市民は市長の進め方にも議会にも納得しておらず、だからこそ住民投票を求めているのであります。今回条例案は言うまでもなく、人工島事業に賛成の人も反対の人も参加して市民の意思で事業の継続の是非を決めようというものであります。かかる内容に対して、市長がことさらに必要ないと拒否されるのは、住民投票を行えば人工島事業の継続について市民の信任を得られる自信がないからではないのか、市長の明確な答弁を求めます。  以上で1問目を終わり、2問目からは自席にて行わせていただきます。 43 ◯副議長(大石 司) 中島港湾局長。 44 ◯港湾局長(中島紹男) まず、今回直轄化いたしました市5工区埋め立てを継続する必要性についてのおただしでございますけれども、福岡市第5工区につきましては、博多港開発株式会社工区と同様、今後とも増加が予測される本市の人口に対応する住宅地の整備や、これからも本市が都市活力を維持、向上していくために欠くことのできない、アジアビジネスを初めとする新たな産業の集積などに取り組む必要があると考えておるところでございます。現在、博多港開発工区につきましては、照葉のまちづくりのコンセプトに基づく都市整備が進むとともに、21世紀中華街構想やふくおか健康未来都市構想など、企業立地に向けた戦略的な取り組みも進んでおり、福岡市第5工区の整備につきましても、市民や議会の御理解と御協力を得ながら引き続き推進してまいりたいと考えております。  次に、15メートル航路のしゅんせつ、岸壁2バースの必要性についてのおただしでございますけれども、世界の海上コンテナ輸送の動向は、貨物のコンテナ化の進展によりコンテナ流動量が飛躍的に増加をいたしており、それと相まって船舶の大形化も進展いたしております。博多港におきましても、6万トン級の大型船が平成10年に初入港して以来、平成16年には年間45隻入港しており、平成16年12月からは新たな欧州航路も入港するなど、大型船の入港が定着をいたしております。一方、博多港の国際海上コンテナ貨物量については、平成16年、約61万TEUと過去最高を更新するなど、取り扱いが飛躍的に増加をいたしております。このような中で、香椎パークポートのコンテナターミナルは満杯の状況であり、平成15年9月に供用を開始いたしましたアイランドシティ水深14メートルコンテナターミナルも、平成16年、21万TEUとフル稼働の状態でございます。また、平成15年3月の福岡市新・基本計画においては、博多港はアジア、世界と結ばれたゲートウエーとして、将来100万TEUの取り扱いを目指すことといたしております。したがいまして、博多港が今後とも九州、西日本の経済を支える拠点港湾として役割を果たしていくためには、世界水準の水深15メートルの航路及び岸壁2バースの整備が必要であると考えているところでございます。  次に、市3、4工区の埋め立てに必要性があるのかとのおただしでございますけれども、福岡市4工区につきましては、水深15メートル岸壁を含む大水深連続バースを備えたコンテナターミナルと一体となって、背後に先進的な物流機能施設の集積を図ることにより国際物流拠点として機能するものであり、福岡市第3工区の整備とあわせて必要不可欠であると考えているところでございます。博多港は、この5年間で対中国とのコンテナ貨物取り扱いが倍増するなど、アジア諸国との物流が急激に増加していることや、最新鋭、高規格の国際ターミナルにおいて港湾物流ITシステムを全国に先駆けて開発、導入いたしまして、国際物流における効率性と定時性が確保されたことなどにより高い評価をいただいているところでございます。また、日中間初の上海~博多間を結ぶ高速貨物船の就航を軸といたしまして、博多港を核とした航空、鉄道、高速道路などとの連携による国内外の複合一貫輸送サービスが実現するなど、ポテンシャルが高い港として関心を寄せていただいているところでございます。今後とも引き続き、さらなる積極的な企業誘致活動に努めてまいりたいと考えております。  次に、他局の予算までつぎ込まなければ事業が継続できないのではとのおただしでございますが、アイランドシティ整備事業につきましては、本市の都市政策を展開する場として、アジアを初めとする世界とのゲートウエーとなる港づくりや先進的なまちづくりについて、国、福岡市、博多港開発株式会社が分担し、連携しながら取り組んできたところでございます。港やまちの骨格となる岸壁、道路、公園などの都市基盤については公共により整備をするとともに、本市の担当する工区については、一般会計から独立した港湾整備事業特別会計により整備を進めておるところでございます。  次に、事業を継続すればさらなる市民負担ではとのおただしでございますけれども、公共事業につきましては、既存市街地と同様に、広く市民の方が御利用される道路、公園等について国の補助事業を積極的に活用しながら進めているところであり、事業の推進に当たっては、効率的、効果的な執行に努め、今後ともより一層のコスト縮減を図ってまいりたいと考えておるところでございます。また、本市が担当する工区につきましては、一般会計から独立した港湾整備事業特別会計により事業を進めております。この特別会計につきましては、今回の博多港開発株式会社第2工区の承継に当たり収支全体を見直したところであり、今後においても資産を活用するなど、財政基盤の強化を図り健全な運営に努めてまいりたいと考えております。  次に、投票条例制定の必要性はないとの意見書に関してのおただしでございますけれども、アイランドシティ整備事業は、より豊かな市民生活の実現や、さらなる地域経済の活性化を図る上で重要な事業であり、またその推進には市民の方々の御理解が必要不可欠であると考えているところでございます。このようなことから、これまでも事業の推進に当たっては、法令に定められた手続にのっとって市民の代表で構成される議会で関連議案の御審議をいただき議決を得るとともに、さまざまな機会をとらえて市民の方々へ直接御説明し、御意見を伺うなど、理解を得ながら進めてきているところでございます。国際コンテナターミナルの供用開始や住宅の整備推進など、着実に成果もあらわれてきつつあることなどから、改めて事業の賛否を問う住民投票を実施する必要はないものと考えているところでございます。以上でございます。 45 ◯副議長(大石 司) 原田祥一議員。 46 ◯52番(原田祥一) まず、都市機能用地、つまり直轄化する福岡市の今回新たにできた5工区の必要性についてですけれども、局長は、人口増加に対応するものだと、あるいはアジアビジネスを含む新たな産業集積と、そして、具体的な21世紀中華街構想とか健康未来都市構想とか検討しているというような話です。何を言っているのやら、抽象的で市民には全く理解できないでしょう。それどころか、実はあなた自身もわからない、具体的に何ができるのか姿は見えない、これが現実じゃないんですか。さらに、人口増での問題で埋め立てが新たに必要かという点について言うなら、住宅用地で埋め立てをした香椎浜、いまだにまだ余っていますよ、土地が、住宅になっていない。香椎操車場、46ヘクタールもの操車場用地が余っていますよ。さらに、市内7カ所で行われている区画整理事業、これ全部合わせるとどれだけの広さになりますか。これから、あなたがたが目的としている人口増というのはせいぜい五、六万人ですよ。この陸域で全部受け入れられるじゃないですか。新たに埋め立てが必要という説明にはならない。  私は、都市機能用地について言うなら、2つの問題があると思う。1つは土地利用の必要性がないこと、2つに土地の需要がないことです。1つ目の土地利用について、あなた方の説明というのは、この10年間で、あるいは10数年間でくるくる変わりました。1988年に博多港の長期構想がつくられたとき、つまり人工島計画を打ち出したときです。そのときのコンセプトというのは、学園研究都市をつくるということでありました。この同じ時期に福岡学園研究都市構想というのがつくられました。この中には明確に九大移転を想定をして、場所は人工島ということを想定して書かれてつくられております。ところが、九大の西区移転とともにこれは消えました。そして、93年の免許出願時は、今度はサイエンスパークを核としたまちづくりというのが打ち出されたんです。サイエンスパークについてあなた方はさんざん検討をしました、何千万ものお金を使って。具体化できなかったじゃないですか。そして、2002年、これは山崎市長の手によるんだけれども、その新事業計画ではサイエンスパーク計画も消えて、大規模公園が導入されました。そして、ただの産業用地と住宅用地に分けられただけであります。つまり、コンセプトが消えたんですよ。今、アジアビジネスなどともっともらしく言われておりますけれども、何ができるか全く見通しがない。だから、局長の答弁も抽象的な話しかできないんですよ。そして、進めているのが市立病院の統合移転など、何とかして土地を処分すると、土地を買ってやろうと、そのために画策をしているのがあなた方じゃありませんか。このように計画が転々と変わるのは、埋め立てそのものの必要性がないからであります。  2つに、土地需要がないこと。これはさきに述べましたように、会社1工区の実態が証明をしています。福岡市が博多港開発の破綻救済で次々に土地を買って支えてやっている。加えて、今回この福岡でも地震が起きて、百道や香椎浜など埋立地では液状化などで大きな被害が出ました。人工島の住宅需要はいよいよ減るでしょう。これは以前から指摘されていたことであります。以上のように、市5工区というのは埋め立ての必要性もなく土地需要も見込めない、にもかかわらず埋め立てに固執するのはなぜか。融資銀行団やマリコン、ゼネコンの利益を保証するため、これこそが埋め立てを継続する真の理由にほかならないと思うが、市長の答弁を求めるものであります。  次に、港づくりについてです。局長は、船舶が大形化している、45隻入って定着しているというふうに言われました。あなた45隻というふうに言われるけど、博多港の入港実績を見るなら、平成14年、このときが最大ですよ、81隻入った。15年は48隻、16年は45隻、半減している。減ってきているんですよ。何で減ってきているか、それは大型のコンテナ船が就航する航路が消えたからですよ。さらに、世界水準の水深15メートルの航路と岸壁が必要ですと、世界水準の航路と岸壁がなぜ博多港に必要ですか。確かに、世界のいわゆる海運輸送を考えたとき、大型船ができているのは、そりゃそうですよ。しかし、今ハブ港化してきているんです。大型船というのは、小さな港にどんどこどんどこ入りよったら極めて効率が悪い。だから、幾つかの限られた港にしかつかない。そこでコンテナを小分けして、そこから小さな船で運んでくる。今、博多港の実態というのはそういうふうになっているんです。だから、大型のコンテナ船は入ってこない。大体、港を近代化すれば自動的に船や貨物が集まりますか、企業が来ますか。そんなことないでしょう。事実、竣功した港湾関連用地等の実態はどうですか。相互運輸とエバーグリーンが約1ヘクタールの土地を買いましたよ、しかし、これには裏があった。山崎市長が箱崎ふ頭の交差点改良の名目で箱崎ふ頭にあったこの2社を移転させたものにほかならず、移転補償費の17億円というのは税金ですよ。また、上組がこのほど2.2ヘクタールの土地を買いましたけれども、使うあてがない。したがって、当面コンテナの野積み場とされるそうです。需要がなく、広大な土地の処分に手を焼いているというのが実態ではありませんか。  では、改めて、岸壁や航路など港づくりはどうなのか。私は、さきの条例予算特別委員会で入港船舶の動向や航路の水位など、この問題を掘り下げて尋ねました。福岡市は人工島に14メートル水深の岸壁をつくり、従来の12メートル水深の東航路を14メートルにする理由として、6万トン級のコンテナ船に対応する必要がある、入港に支障があるために早急な整備が必要だと、こう説明してきたんです。しかるに、人工島には6万トン級の船は1隻も着岸しておりません。先ほど言われた45隻というのは人工島にはついていない。じゃあ、何のために人工島に14メートル岸壁をつくったのか、この問題をただしたんです。それどころか、人工島には6万トンどころか3万トン以上の船の着岸実績もなかった。小型コンテナ船ばかりが利用しているという事実を突きつけたわけであります。私がこの事実を示して市長にただしたところ、市長は何と言われたか。驚きましたよ、初めて聞いたと。つまり、知らなかったという発言をされたわけです。そこで山崎市長に伺いたい、あなたは人工島の利用実態も知らずに15メートル水深の航路や岸壁が必要だと言われるのか、それは全く無責任きわまりない行政姿勢にほかならないと思うが、市長の明確なる答弁を求めるものであります。  次に、事業継続による本市財政や市民への影響についてでありますけれども、局長の答弁というのは答弁になっとらんですね。要するに、これまでの答弁あわせ考えるなら、本市の都市政策の一環、したがって一定の財政支出は必要だということを言いたいんでありましょう。そして、市民にツケを回すという点については何も答えられなかったけれども、市民の多くはこの人工島事業のためにツケが市民に回されていると思っていますよ。人工島のむだ遣いはやめるべきだというのが多くの皆さんの声であります。そこで、人工島事業の継続をやめて、中止したらどうなるかという点について、何点かただしたいと思います。  1つは、今後の事業費についてです。港湾局の資料によれば、直轄化する5工区を含め、市の事業費は今後約1,238億円必要とのことであります。また、15メートル水深の航路や岸壁など国の事業について、国土交通省の担当者の説明によれば約330億円かかるそうであります。したがって、埋め立てをやめれば1,238億円の新たな借金と、加えて利息をつくらず、330億円の国費を節約できる。また、需要のない土地の処分に要らぬ苦労をせずに済むと思うけれども、所見を伺いたいと思う。  2点目は破綻救済についてです。局長は、コストの縮減をしているとか、収支について見直したとか言われるけれども、他局の予算を使って人工島事業を進めている実態について、あるいは博多港開発の破綻救済にかかわってどれだけの税金が使われていますか。先ほど1問目で述べたように、既に支出した土地購入だけでも340億円近くですよ。何言っているんですか。しかも、救済は今後も続く計画です。インフラの肩がわり整備が約190億円、新事業計画が踏襲されるとするなら、道路や緑地など用地購入費で約200億円、鉄軌道の導入で250億円、さらに、市立病院の統合移転では600億円は下らないでしょう。また、先ほど言われた21世紀中華街構想なるものが具体化されるとするなら、100億を超す税金が投入されることが考えられます。これだけでも合計すると1,300億円です。この金があれば一体何ができるでしょうか。例えば、特別養護老人ホーム、今4,000人以上の待機者がおられるけれども、これを全部解消するために特養ホームを100カ所つくる、児童館を全小学校区144館つくる、これだけで約530億円、市営住宅を3,000戸つくる、約360億円です。それでも、これだけやってなお300億円のおつりが来ます。お尋ねしますが、市長が人工島の破綻救済をやめれば、市民の暮らし、福祉、教育など、相当な充実が可能になると思うが、所見を求めるものであります。  3点目は、中止した場合の国の補助金についてであります。けさほど質問をされた民主・市民クラブの栃木議員が、2002年10月の決算特別委員会で尋ねられましたけれども、これに対して当時の酒井港湾局長は、工事を中止した場合、国から補助金の返還を求められるものと考えられるなどと答弁されております。そこで私、調べてみました。高知県が橋本知事にかわって公共事業の見直しを行いました。高知港海岸環境整備事業というのを事業中途で中止しました。しかるに、国から補助金返還の請求はなかったそうであります。長野県でも田中知事が脱ダム宣言を行いましたけれども、8つのダムの建設を見直して──これ見直したのが2001年です、2001年以降、工事を凍結したままにしておりますけれども、補助金返還の話は一切出ていない。お尋ねをしますが、事業中途で公共工事をやめたことを理由に国から補助金返還命令が出て支払った例があるか、明確な答弁を求めます。  4点目、これは事業中止には直接かかわらない問題ではありますけれども、今回地震との関係です。昨年行われた博多港開発の住宅用地の民間分譲は、予定していた平米当たり処分単価12万1,000円が実際には7万900円となりました。これは原価をも割り込む価格であり、実に厳しい状況となりました。今そこに分譲マンションが建設中であります。こうした中で起きた今回の地震で、同じ埋立地の百道では液状化現象が顕著にあらわれ、香椎浜でも揺れによる大きな被害が出ました。人工島も、先ほど大した問題はなかったと言われたけど、私たち見に行きましたが、液状化は起きています。そして、海水淡水化の導水管を埋めた部分は2メートル近くも隆起しているんですよ。こういう大きな被害が出ています。埋立地の危険性を市民はまざまざと見せつけられました。道路も封鎖しているじゃないですか。この地震を受け、人工島の地価の下落は避けられないと思うが、所見を伺います。また、そのことで、博多港開発株式会社も市の5工区も収支が成り立たなくなるのではないかと思うが、あわせてお尋ねをしたい。  次に、住民投票にかかわって局長が答えられるのはいかがなものですか。事業を進める人ですけん。まあ市長も進める人だけれども、民意について判断するのは局長じゃないでしょう。しかし、けさほかの方に答弁されているので続けますけれども、住民投票を拒否するのは市民の合意を得る自信がないからではないか、これに対するまともな答弁にはなっていない。市長は逃げられたんですか。山崎市長、この問題ではあなた自信がないんじゃないですか。市当局は市民には十分に説明もし意見も反映させてきた、そして議会で逐次了承されている旨の答弁をされております。本当に十分な説明がなされ、市民の意見が事業に反映されたかについて検証したいと思います。当初計画の折、数カ所で説明会が開かれ、市による市民意見発表会も開かれました。そこでは中止を求める意見が過半数を占め、推進の立場から土地利用計画の変更の提案も数多くされました。けれども、反対意見も推進に係る意見もどちらも無視をされ、計画は何の変更もされませんでした。その後、中止を求める12万の請願署名が出されました。これも無視して埋め立ては強行着工されました。これは前の市長の時代のことですけれども、山崎市長になっても同じです。あなたは、事業点検時に市民に意見を求めました。このときも凍結や縮小を求める意見がかなりの数に上りました。ところが、あなたはこれを無視し、さらに公約を踏みにじり、土地利用計画と資金計画の見直しすらしませんでした。市政経営戦略プランに対する市民の意見も切り捨てた。その上、独立採算の事業であり、税金を使うことはない、この免許当時の市民との約束を勝手に破り捨て、破綻救済に巨額の税金を使った。したがって、市民意見を反映しているどころか、市民を裏切り続けてきたというのが事実ではないかと思うが、明確な答弁を求めたいと思います。  2点目は、議会の承認を得て進めているという問題です。間接民主主義という言葉をけさほど来おっしゃっておられる。確かに、国政、地方政治ともに間接民主主義というのは基本です。しかし、4,000億円という巨額の金を使う事業で、本市の将来と市民生活に重大な影響を及ぼしている事業です。この事業について、市民の意思と議会の判断とに重大な乖離がある。こうした場合に、地方自治法が保障した直接民主主義で事を決めることに何の問題も何の矛盾もありません。一方、議員はさきの一斉地方選挙で信任を得ているという声も聞こえます。しかし、人工島についての信任でしょうか。共産党の議員は全員、縮小見直しを公約し、明確にビラにも載せました、訴えもしました。ところが、人工島の議案に賛成しておられるほとんどの議員は、人工島は計画どおり推進する、税金を使ってでも推進する、このような明確な公約はされておりません。有権者に伝わっていないのです。したがって、議会が多数決で議決したからといって市民の多数が人工島事業の継続に賛成しているわけではないと思うが、市長の答弁を求めるものであります。  以上で2問目を終わります。(傍聴席で拍手する者あり) 47 ◯副議長(大石 司) 傍聴人は拍手は控えてください。中島港湾局長。 48 ◯港湾局長(中島紹男) 市5工区の埋め立ての必要性についてのおただしでございますけれども、アイランドシティにおける住宅や産業などの都市機能用地につきましては、長期的視点に立って、今後とも増加が予測される本市の人口動向に対応する住宅地の整備や、これからも本市が都市活力を維持、向上していくために欠くことのできないアジアビジネス、健康、医療、福祉関連分野を初めとする新たな産業の集積などに取り組んでいく必要があると考えているところでございます。  次に、埋め立てをやめれば新たな投資の必要性がないのではとのおただしでございますけれども、アイランドシティ整備事業は、将来の福岡市を初めとする、九州、西日本を牽引していく重要な事業であると考えているところでございます。仮に事業を中止した場合には、これまでに投入した多大な事業費が生かされなくなるばかりでなく、将来の本市の飛躍へとつながる都市政策を展開する場や機会の喪失、及び市民生活や地域経済に大きく貢献している博多港に多大な影響を及ぼすことになります。また、アイランドシティが完成したときに本市に及ぼすものと見込んでいる経済効果や雇用効果、並びに本市への市税収入効果等が生じないこととなります。  次に、事業をやめれば福祉などの事業が充実するとのおただしでございますけれども、アイランドシティ博多港開発株式会社工区につきましては、事業着手後の経済社会情勢の変化を踏まえ、平成14年の新事業計画の取りまとめに当たり、広く市民が利用される道路や公園等については既存市街地と同様、国の補助事業も活用しながら公共による整備を進め、まちの早期熟成を先導していくことといたしております。また、この事業をより長期的、安定的に推進するため、本市は博多港開発株式会社第2工区の埋立権を譲り受けることといたしました。この譲り受けにつきましては、一般会計から独立した港湾整備事業特別会計により対応しているものでございます。  次に、補助金関連についてのおただしでございますけれども、国土交通省港湾局に確認いたしましたところ、事業中止した港湾関連の公共事業で国庫補助金が返還された事例はないと聞いておりますが、正当な理由がなく一方的に事業を中止した場合には、当初の目的違反として、補助金等に係る予算の執行の適性化に関する法律に基づき、国から補助金の返還を求められることとなります。  次に、今回の地震の影響等に関してのおただしでございますけれども、既に埋立工事等が完了している住宅地を含む分譲地において液状化等の現象は発生しておらず、地震による今後の企業誘致や土地処分並びに事業収支への影響はないものと考えております。今後ともアイランドシティのまちづくりに当たりましては、公園や広場などのオープンスペースを多く配置し……(傍聴席で発言する者あり) 49 ◯副議長(大石 司) 静粛に願います。 50 ◯港湾局長(中島紹男) 電線類の地中化を図るなど、災害に強いまちの形成に取り組んでまいります。なお、地震の影響等について心配をお持ちの市民や企業の方もおられると思いますので、既にホームページ等で情報発信をいたしておりますが、風評被害が起こらぬよう、地震の影響がないことを引き続き情報発信してまいりたいと考えております。  次に、市民の意見を反映していないのではないかとのおただしでございますが、本市の将来にとって極めて重要な事業であるアイランドシティ整備事業については、さまざまな意見があることは承知をいたしております。この事業の推進に当たっては、埋立免許出願に先立つ住民の意見発表会の実施や、埋立免許出願書の縦覧時における市民からの意見聴取、大規模事業点検時の市民意見募集及びタウンミーティングの実施等、これまでも法令に定められた手続のみならず、さまざまな機会をとらえて市民の方々の御意見をお伺いするとともに、これらの意見を事業に反映させるよう努めてきたところでございます。また、市民の代表で構成される議会におきましても、平成5年6月に当該埋め立てに関する同意の議決をいただくとともに、毎年度の予算につきましても議決を得て執行を進めてきているところでございます。今後とも積極的に情報を提供するとともに、御意見を反映するなど、皆様の御理解を得ながら着実に事業を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 51 ◯副議長(大石 司) 山野副市長。 52 ◯副市長(山野 宏) アイランドシティ整備事業は、本市の都市戦略上重要な機能を担うものであり、事業の推進に当たりましては、市民の方々の御理解が必要不可欠であるということから、さまざまな場面で御意見をお伺いするとともに、ちょうだいした意見の反映に努めてまいりました。また、市民の代表で構成される議会においては、埋立免許出願時の埋め立てに関する同意や、博多港開発株式会社第2工区の埋立権の譲り受けにかかわる関連議案及び毎年の予算案などにおいて慎重な御審議を重ねていただいておるところでございます。今後とも積極的に情報提供を行うなど、市民の皆様の御理解を得ながらこの事業を着実に進めてまいりたいと考えております。 53 ◯副議長(大石 司) 山崎市長。 54 ◯市長(山崎広太郎) 都市はバランスを考えていろんな施策を展開していかなきゃいけないわけでございますけれども、福岡市にとって博多港というのは大変大事な都市資源になっておるところでございます。福岡市の経済の4分の1を担っている、それから雇用の4分の1を担っている。現場に行かれたらわかりますけど、非常に今活気を呈しておる。議員は否定されましたけれども、我々はハブ港化を目指しているわけです。そして、現在コンテナの取扱量も関係者の努力で年間60万個を超えたという状況で、北九州港と同時にスーパー中枢港湾の指定に向けて、今努力をしておるという状況でございます。アイランドシティ側のバースが今1バースなもんですから、やはり使いづらい、やはり2バース必要だと。しかも、この1バースでもう既に年間21万個のコンテナを取り扱っているという状況で、私どもはぜひ今15メートル水深のバースを新設すると、こういう方向で取り組んでおる状況でございます。前の議会で、私が知らないと正直に申し上げました。しかし、御承知のとおり、香椎パークポートは2バースありまして、今フル稼働いたしております。そして、新しくアイランドシティ側に1バースできて、それもほとんどフル稼働という状況で、大型船としては従来の香椎パークポートの方が利用しやすいということなんだろうと素人考えではそう考えるわけで、しかし、間違いなく大型船が平成16年には45隻、あの東航路に入ってきておるんですよ。非常にそういう、何というか、運営面の問題でございますので、当然これからアイランドシティ側のバースが使われると、使いたくても使えないという状況じゃなくて、これから使えるようになるということでございます。そういう面で、私どもは今後の福岡市のためにこの博多港の整備というのを積極的に努めていく立場にあると、このように考えております。 55 ◯副議長(大石 司) 原田祥一議員。 56 ◯52番(原田祥一) まず、埋立事業を継続する必要性についてですけれども、局長の答弁あったんだけれども、あなたの答弁じゃ市民は納得できないですよ。ここに来ておられる人もわからないと思いますよ。説明責任という話も出てきているけれども、あなた方の説明じゃ市民がわからないというんですよ。そして、市長について言うなら、大水深の岸壁や航路が必要だというふうに強調されるんだけれども、市長自身が事業を進めるのに、その人工島の利用実態も知らずに必要ですなんて言うのは、行政のトップとしてこんなでたらめな話はないですよ。(傍聴席で発言する者あり) 57 ◯副議長(大石 司) 傍聴人は静粛に願います。 58 ◯52番(原田祥一)続 それから、博多港の経済効果の話もされました。私は博多港の経済効果について否定するつもりはさらさらありません。ただ、経済効果というのはあくまで机上の話であって、例えば福岡空港の経済効果だってあるんですよ。あなた方はシーサイドももちを埋め立てするときに、まあ市長のときじゃなかったけど、あなたは議長でしたけれども、シーサイドももちの経済効果の話もあったんですよ。経済効果で出された数字を全部合わせたら、福岡市のいわゆる市民のGDPというんですか、こういう数字が何倍にもはね上がるんですよ。あくまで机上の話でしかない。そこで、あなた方は都市戦略だとか、また市長は、さきの予算特別委員会では日本経済のことを考えるべきだとか言われましたが、私はこの言葉をそっくり市長に返したいと思う。今、神戸港でも名古屋港でも、あるいは東京でも横浜でも全国の港がアジアのゲートウエーの名で港の整備をやっております。博多港、まさに物まねじゃないですか。しかも、博多港のコンテナ船の動向というのは、既に上海や釜山がハブ港化しているということもあって、大型船舶は減少している。今ふえている中国や韓国からの船というのは、1万トン以下が大半でしょう。したがって、人工島に大水深の航路や岸壁をつくる必要はないんです。全国で競い合って港の過剰投資をするのは、国費、税金のむだ遣いです。今国が700兆という借金を抱えて、こんなむだ遣いすべきですか。あなたの方が考え違いをしているんじゃないですか。  都市機能用地等もそうです。東京でも神戸でも、埋立地が処分できずに重い負担を負っている。開発した土地が売れずに塩漬けになっている例というのは、全国至るところにあります。これこそ日本経済の負の遺産、バブルの後遺症です。ところが、銀行やマリコン、ゼネコンの利益保証のために仕事はやめない。このような事業の継続というのは、市民のためにも日本経済のためにもならないと思いますが、市長の所見を伺いたい。  次に、私は中止した場合どうなるかをただしました。答弁を聞く限り、要するに市長は市民がどう思おうと見直しなどさらさら考えていない、こういうことですね。これは税金の使い方の問題です。市長は、人工島の破綻救済にさまざまな言いわけをつけて、今後も巨額の税金をつぎ込もうとしている。しかし、市民はそんなことは望んでいません。今市民は地震で困っておられますけれども、住宅や営業の再建にこそ税金を使ってほしい、回してほしいと切実に願っています。暮らしや福祉や教育にこそ予算を使ってほしいと考えておられます。ところが、あなたは市民生活分野の予算は切り捨て、逆に市民に負担を押しつけている、全く逆転しています。さきに述べた1,300億円があれば、例えば、耐震補強や建てかえが必要な小中学校170校すべてがこの金で対応できます。  私はまた、地震の問題も指摘しました。局長は影響はないという、全く無責任なうそにうそを重ねる答弁をされたけれども、市民の皆さんは、危なくて埋立地の高層マンションなど買えないねと話されていますよ。不動産業界の方も影響を指摘しています。マンションだけでなく、間違いなく地価が下落するでしょう。それは収支バランスに影響を及ぼし、新たな破綻救済につながりかねません。市長、税金を破綻救済と埋立事業継続に使うのではなく市民生活に振り向けるために、人工島事業を見直すべきではないかと思いますが、答弁を求めるものであります。  最後に、市民の意見の反映についてです。いろいろと言われたけれども、結局は住民の審判から逃げたい、こういう弁明にしか聞こえないです。市長の前回の選挙公報を見ましたけれども、人工島の「じ」の字も載っていない。あなたの選挙公報には。(傍聴席で発言する者あり) 59 ◯副議長(大石 司) 傍聴席は静かに願います。 60 ◯52番(原田祥一)続 それから、あなたのパンフレットも見ました。確かに、アイランドシティという言葉は書かれている。だけど、破綻救済に税金を使っていいですかと、そんなことは一言も書かれていないですよ。間接民主主義と言われるけれども、市長選挙の場合には、人工島という事業だけでなく、さまざまな要素を含めて市民は判断をし選択をするんです。一方、さきの議員選挙で言えば、ケヤキ・庭石事件が表面化して、与党のほとんどの議員、正確に言えば候補者が人工島事業に触れることを避けました。これが実態であります。そういう意味では破綻救済に巨額の税金をつぎ込む人工島事業についての信任というのは、市長も与党の議員も得られていない。今回、8万4,000名の署名が寄せられました。しかし、世論はこの数にとどまらないということを市長は推して知るべきです。市長、あなたは日ごろから市民が主役と口にされている、このビラにも「世界に誇れる自治都市を、福岡市民お1人お1人にお力を発揮していただく舞台を私はもっともっとつくりたい。それはまず行政みずからが変わること、そして市民の生活感覚に学び」──ようと聞いてくださいよ、「市民の目線を大切にして、当たり前のことを当たり前にやられる市政を確立することに」でした。これ実行せんですか。このビラに書かれている自治都市を、世界に誇れる自治都市を、これがあなたの本当の政治信念であるなら、今回条例を否定するのでなく、人工島事業継続の是非について住民投票で市民の信を問うべきではないかと思うが、最後に市長の答弁を求めて質問を終わります。 61 ◯副議長(大石 司) 山崎市長。 62 ◯市長(山崎広太郎) 自治都市ということと、この住民投票ということとは関係ありません。(傍聴席で発言する者あり) 63 ◯副議長(大石 司) 傍聴人は静粛に願います。 64 ◯市長(山崎広太郎) アイランドシティ整備事業は、国際水準のコンテナターミナルの整備など、博多港の機能強化や豊かな自然と調和した先進的なまちづくり、及びアジアの活力を取り込んだ新たな産業集積の場づくりなど市民生活を豊かにするとともに、九州、西日本の経済の活性化に大きく貢献する重要な事業であります。また、この事業は厳しい財政状況の中で中期財政見通しを踏まえた選択と集中を進め、真に必要な施策、事業の推進を図ることを目的として策定した政策推進プランの中で重点事業にも位置づけられております。さらに、事業の推進に当たっては、法令に定められた手続にのっとって進めており、市民の代表で構成される議会で関連議案を御審議いただき議決を得るとともに、さまざまな機会をとらえて市民の方々へ御説明し御意見を伺うなど、理解を求めながら進めてまいりました。平成15年度には国際コンテナターミナルを供用開始し、既にフル稼働にあること、さらに本年度には全国都市緑化フェアを開催するとともに、市民の方々がここで生活を始められる予定であるなど、着実に成果があらわれているところであります。このようなことから、現時点において改めて賛否を問う必要はないものと考えております。 65 ◯副議長(大石 司) 外井京子議員。
    66 ◯34番(外井京子)登壇 ふくおかネットワークを代表して、議案第197号、人工島建設事業の継続について賛否を問う福岡市住民投票条例案について質問いたします。  質問の第1点目として、本市における過去の条例制定を求める直接請求事例について、どのような案件のものが何件あったのか、また有権者数の何%の署名を得て成立したのかについてお示しください。  第2に、過去の全国の住民投票実施事例のうち代表的なものについて、いつ、どこの自治体でどのような案件で行われたのかについて、その結果も含めお示しください。  第3に、市長は施政方針に自治都市・福岡を挙げておられますが、では、福岡市の市政運営において重要施策について住民投票によって市民の意思を問うという手法を取り入れることもあり得ると考えているのかどうか、それともいかなる課題についても住民投票という手法の導入は必要ないと考えているのかお尋ねします。  第4に、今回人工島建設事業の継続について賛否を問う福岡市住民投票条例案については、直接請求に必要な署名数である2万2,000人の3倍以上、8万4,000人、うち有効署名数7万6,922人の署名が集まりました。これは、人工島事業は博多湾の自然環境の破壊につながることや、過大な港湾整備であること、本市の財政運営に重大な影響を及ぼすことなど、将来に大きな禍根を残すことを危惧する市民が多く存在するということをあらわしています。8万4,000人もの署名が集まったということをどのようにとらえているか、総務企画局長、港湾局長、市長、それぞれの御所見をお尋ねします。  これで1回目の質問を終わり、2回目からは自席にて行います。 67 ◯副議長(大石 司) 鹿野総務企画局長。 68 ◯総務企画局長(鹿野 至) 本市における条例制定を求めます直接請求の事例といたしましては、昭和45年の義務教育費父母負担禁止条例案、昭和56年の環境影響評価条例案、及び平成8年の環境保全条例案の3件がございます。必要署名数が集まらなかった平成8年の例を除く2件については、請求は成立をしておりますけれども、いずれも議会において否決されております。これら2件の請求における署名の割合は、義務教育費父母負担禁止条例案が、有効署名数3万4,914人で有権者の6.11%、環境影響評価条例案が有効署名数5万7,778人で有権者の7.93%となっております。  次に、近年において市町村合併に伴う住民投票の事例が増加しております。最近の住民投票実施の代表的な事例といたしましては、平成15年10月、高知県日高村におきまして、産業廃棄物処理施設建設の是非を問う住民投票が実施され、建設賛成が反対を上回る結果となっております。また、平成13年5月新潟県刈羽村におきまして、柏崎刈羽原発のプルサーマル計画の賛否を問う住民投票が実施され、反対が賛成を上回る結果となっております。さらに、平成12年1月、徳島県徳島市におきまして、吉野川可動堰化計画の是非を問う住民投票が実施され、反対が賛成を上回る結果となっております。  次に、住民投票制度についてでございますけれども、住民投票制度につきましては、間接民主制を基本とする我が国の地方自治制度において間接民主制を補完する制度であるとともに、多様化する市民ニーズを市政運営に反映させる市政参画手法の1つであると認識いたしておりますけれども、長や議会の本来の機能や責任との関係をどのように考えるのか、あるいは、複雑な行政課題について二者択一の設問では民意を的確に反映させることができるかなどの制度上の問題点も指摘されておりまして、制度の導入に当たりましては慎重に検討する必要があると考えております。しかしながら、市民の意思を問うため、事業の特性などに応じまして、住民説明会、タウンミーティング、パブリック・コメント手続やワークショップなど、さまざまな手法を取り入れているところでございます。また、公共事業等の手法、規模や事業の是非等について計画段階から複数の選択肢を含めて公表し、市民や専門家を交えた議論の場を設ける市民オプションの検討や、大規模な事業を計画段階から実施段階に移すに当たり、事業実施のタイミング、手法、経済性、効率性、採算性などを評価する公共事業事前評価を試行するなど、今後も広く市民意見を取り入れてまいりたいと考えております。  最後に、今回の直接請求の署名数につきましては、本市の重要プロジェクトでございますアイランドシティ事業の関心の高さを感じております。このアイランドシティ事業につきましては、平成15年3月に策定いたしました新・基本計画や、平成16年6月に策定した政策推進プランで本市の重要プロジェクトとして位置づけており、これらの策定に当たりましても、市内全世帯を対象とした意見募集、総合計画審議会での審議、パブリック・コメント手続など、広く市民から意見を募集したところでございます。以上でございます。 69 ◯副議長(大石 司) 中島港湾局長。 70 ◯港湾局長(中島紹男) 今回の署名に関してどのようにとらえているかというおただしでございますけれども、今回の条例制定にかかわる直接請求が多数の署名をもって行われたことにつきましては、アイランドシティに対する市民の関心の高さを感じるとともに、真摯に受けとめているところでございます。事業の推進に当たりましては、これまでにも埋立免許出願に先立つ平成4年の市民意見発表会や、平成14年博多港開発株式会社工区に係る新事業計画のとりまとめの際の市民意見募集、また、本年2月のタウンミーティングなど、さまざまな機会をとらえて市民の方々に御説明し御意見を伺うなど、理解を得ながら進めてきたところでございます。今後とも、本市の都市政策上、必要不可欠なこの事業について、議会や市民の方々に積極的に情報提供を行うなど、御理解を得ながら取り組んでまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。 71 ◯副議長(大石 司) 山野副市長。 72 ◯副市長(山野 宏) アイランドシティ整備事業は、アジアを初めとします世界とのゲートウエーとして博多港の機能強化を図るとともに、先進的まちづくりや新しい産業の集積を進めるものであり、本市の都市戦略上重要な機能を担うものでございます。この事業の推進に当たりましては、市民の皆様の御理解が必要不可欠であるということから、事業の着手前を初め、事業の進展に応じてさまざまな場面で市民の皆様方の御意見をお伺いする機会を設けるとともに、ちょうだいした御意見の反映に努めてまいりました。また、市民の代表で構成される議会においては、埋立免許出願時の埋め立てに関する同意や、毎年度の予算案などについて御審議を重ねていただいたところであります。しかしながら、今回の条例制定の直接請求が多数の署名をもって行われましたことにつきましては真摯に受けとめておるところでございます。今後とも積極的に情報提供を行うなど、市民の皆様の御理解を得ながらこの事業を着実に進めてまいりたいと考えております。 73 ◯副議長(大石 司) 外井京子議員。 74 ◯34番(外井京子) 市長が意見書において条例の制定の必要なしと結論づけられたことに関してお尋ねします。  まず第1に、山崎市長は、事業の点検を行うという公約を掲げて市長選に立候補され市長に就任されたわけです。先ほどの答弁でも、人工島についてはたびたび選挙の争点となってきたと、みずから言われました。公約に掲げた事業の点検においては人工島も聖域ではないとしながら、結局、人工島事業の継続を決められました。その時点で、人工島事業を継続するという判断された理由は一体何だったのかお尋ねします。  第2に、人工島事業については、社会経済状況の変化によって採算性がとれずに破綻状況にあることはますます明白になってきています。博多港開発2工区を直轄化までしなければならなくなった現在でも、まだ人工島事業は市の将来に不可欠であるとする理由は何か。これまでの議会答弁やタウンミーティングなどでの説明に市民は納得していないからこそ、住民投票が必要であるという直接請求に8万4,000人もの人が署名したという事実を踏まえてお答えください。  第3に、福岡県西方沖地震によって、人工島を初めとする埋立地の弱さが露呈しました。このことは、今後の人工島事業に大きな影響をもたらすと考えます。博多港開発2工区を直轄化しても、土地は熟度を増して処分単価が上昇し、将来的には採算がとれると説明されてきましたが、震災によって埋立地への進出や住宅地の購入は控えようという企業や消費者の心理が働くことは必至です。そうなれば、当然のことながら建物には最新の耐震性が求められ、高度な防災体制の構築も求められます。人工島への進出には、これまでよりもコストがかかることは明白になりました。震災の影響で土地処分が予定どおりに進まず、事業計画、収支計画の見直しを迫られることは目に見えています。そこで質問ですが、震災によって昨年12月に出された、いわゆる新新事業計画を見直すことが必要となってくると考えているのかどうか、港湾局長にお尋ねします。また、収支計画についても、港湾整備事業特別会計だけの問題ではありません。このところの人工島事業優先施策には目に余るものがあります。人工島だけを特別視して、人工島は環境に優しいまちに、人工島の小学校には新しい教育スタイルを、人工島には最先端の医療施設をなど、最先端の技術と予算を人工島に集中させていこうとしています。先ほどの答弁で港湾局長は、人工島は災害に強いまちを目指すとも言われました。また、人工島だけ特別扱いをするのでしょうか。震災によって、まず復興のための施策に最優先で予算をつけることが必要となっています。そして、その次に必要なのは、まだだれも住んでいない人工島の耐震や防災を優先するのではなく、既存地域のすべての公共施設の耐震補強であり、民間の建築物や住宅、ブロック塀なども含めた建造物を耐震補強するための助成制度などの予算化であり、全市的な防災体制の構築です。もとより大変厳しい本市の財政状況を、人工島優先から震災、防災対策優先へと切りかえることが今必要となっています。震災で、市民の生活の根底を揺さぶられた今こそ、何を重点事業とし何に優先的に予算を配分する必要があるのか、納税者である市民の意見を聞く必要があると考えます。  そこでお尋ねしますが、山崎市長は福岡県西方沖地震が今後の人工島事業にもたらす影響についてどのようにとらえておられるのか、御所見をお伺いします。次に、人工島事業を継続していくことについて市民への説明は十分に行っていると考えているのか、また市民の理解は得られていると考えているのか、御所見をお伺いします。(傍聴席で発言する者あり)  以上で2回目の質問を終わります。 75 ◯副議長(大石 司) 傍聴人に申し上げます。傍聴人は、議事につきまして可否を表明したり、騒ぎ立てることは禁止されています。静粛にしていただきたいと思います。鹿野総務企画局長。 76 ◯総務企画局長(鹿野 至) 大規模事業の点検の公約等に関連してお答え申し上げます。アイランドシティ整備事業を事業継続と判断した理由についてのお尋ねでございますが、事業の点検に当たりましては、市民の御意見、御提言、御提案をいただいた上で、それらも踏まえましてこの事業が本市の港湾機能の向上に大きく寄与するものである、次に、バランスのとれた産業構造の形成や新たな雇用の場の創出、多様な市民ニーズを踏まえた新しいまちづくりなどの観点から、本市の将来にとって重要な事業であるという判断から、効率的な工事工程の採用など、事業採算性の向上を図ることとして事業継続したものでございます。以上でございます。 77 ◯副議長(大石 司) 中島港湾局長。 78 ◯港湾局長(中島紹男) 人工島事業が市の将来にとって不可欠であるとの理由は何かとのおただしでございますけれども、アイランドシティ整備事業は、成長著しいアジアを初めとする世界とのゲートウエーとして、大水深の航路しゅんせつや最新鋭のコンテナターミナルの整備等、博多港の機能強化を図るとともに、新たに生まれる都市空間を利用、活用して、先進的なまちづくりや新産業の集積を進めるものであり、本市を初めとする九州、西日本の市民生活や地域経済の活性化に大きく貢献するアジアに向けた本市の都市戦略上重要な機能を担う事業でございます。これまでの取り組みの結果、平成15年9月に最新鋭の国際コンテナターミナルが供用を開始し、同年11月には上海~博多間に定期高速貨物船が就航いたしております。また、港湾関連用地では2社が操業開始いたしており、新たに1社の進出も決定いたしております。さらに、住宅地ではことし秋の入居に向け準備が進められるなど、既にその成果が確実にあらわれてきており、これまでの事業投資を最大限活用し、この事業の効果をさらに発揮させていくためには、今後とも着実に事業を進めていく必要があると考えているところでございます。  次に、今回の震災によって、昨年12月にお示しいたしました計画を見直すことが必要になってくるのではとのおただしでございますけれども、今回の地震によるアイランドシティ未竣功工区を含めた全体の被災状況につきましては、現在、被害状況調査、測量等を行い、施設の復旧方法について検討を行っているところでございますけれども、これらの被災箇所については、平成17年度内には復旧できる見込みであり、全体の工事工程に影響はないものと考えております。また、既に埋立工事等が完了している住宅を含む分譲地につきましては液状化等の現象は発生しておらず、さらに岸壁やヤードにつきましては荷役作業に支障がないよう緊急復旧し、翌日から通常の作業を行うなど、港湾機能を十分果たしているところでございます。したがいまして、地震による今後の企業誘致、土地処分への影響はないものと考えております。このようなことから、現時点において計画の見直しは必要ないものと考えているところでございます。  次に、今回の地震が今後の人工島事業にもたらす影響についてのおただしでございますけれども、今回の災害復旧関連事業費に係る財源につきましては、国庫負担金や地方交付税が措置される災害復旧債の活用等による対応が考慮されており、全市を挙げて災害復旧に向けた取り組みを進めておるところでございます。一方、アイランドシティ整備事業は、国際水準のコンテナターミナルの整備、先進的なまちづくり、新しい産業の集積などを進めるものであり、九州、西日本の市民生活や地域経済の活性化に大きく貢献するとともに、アジアに向けた都市戦略上、重要な機能を担う事業であることから、長期的な視点に立って事業を着実に推進してまいりたいと考えております。  次に、説明は十分行っているのかというおただしでございますけれども、これまでもアイランドシティ整備事業の推進に当たりましては、法令に定められた手続にのっとって、市民の代表で構成される議会において埋立免許出願時の埋め立てに関する同意や、毎年度の予算案などについて御審議をいただき、議決を得るとともに、さまざまな機会をとらえて市民の方々に御説明し、御意見を伺うなど、理解を得ながら進めてきたところでございます。今後とも、議会や市民の方々に積極的な情報提供を行うなど、御理解を得ながら事業に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。以上でございます。 79 ◯副議長(大石 司) 外井京子議員。 80 ◯34番(外井京子) 住民投票という手法の導入は、市民の意見を問うものとして、今後の自治するまちにとっては必要なものであると考えます。もちろん、住民投票にかけるべき課題、時期については議論があってしかるべきと考えます。今議会はまさに人工島事業の継続について賛否を問うという課題で、今こそ住民投票を実施するということについて議論し、決定する場です。今回直接請求された住民投票条例案に対する意見書において市長は、人工島事業は法令に定められた手続に従い議会で審議、議決を得る等、議会や市民の理解を得ながら進めてきたと述べられましたが、だから条例制定の必要がないと市長が言ってしまうのは、直接請求ができるという市民の権利を頭から認めないと言っているようなものではないでしょうか。今市民から問われているのは、人工島事業の継続についてはこの間の議会での審議、議決だけには任せられないとの市民の声を議会としてどう受けとめるかということです。しかも、法定数である有権者の50分の1の3倍以上の署名を集めての市民からの直接請求です。また、今回提案されている条例案は、住民投票の資格者を本市に在住する定住外国人も含めた18歳以上の者とするなど、市民自治を実現するための1つの手法としての住民投票条例案として大変評価できるものであると考えます。人工島事業を継続することについて、市民の理解を得られているとの自信が市長におありなら、賛否を問う住民投票を実施できるはずです。(傍聴席で発言する者あり) 81 ◯副議長(大石 司) 静粛に願います。 82 ◯34番(外井京子)続 また、たとえ今は市民の理解は不十分でも、住民投票の投票日までには市民の理解を得ることができると市長が自信を持って言われれば、これまで山崎市長を支持し、人工島事業の推進に賛成してきた議員の皆さんも安心して条例案に賛成することができると思います。先ほどの答弁でも、市長は人工島事業への関心の高さを感じるとともに重く受けとめていると言われました。重く受けとめているなら、なぜ住民投票を実施できないのか理解できません。人工島も聖域ではないとして事業点検をした結果、人工島事業の継続を決められた市長の責任としても、市長は人工島事業の継続の賛否について、堂々と住民投票による審判を受けるべきと考えますが、市長の御所見をお伺いして質問を終わります。 83 ◯副議長(大石 司) 山崎市長。 84 ◯市長(山崎広太郎) 市民の意見をいただく方法としてはいろいろあると思います。世論調査もございますし、いろいろ、パブリック・インボルメントという制度もございます。いろんな形で直接市民の御意見をいただくということは大事なことだと、このように思っております。今回の住民投票制度の制定については、いわゆる市民の直接請求権に基づくもので、その所定の手続きをとられてアイランドシティ推進事業を住民投票にかけるよう求めておられるわけでございまして、そこに市長としての意見を求められるという状況でございまして、私は必要ございませんと申し上げておるところでございます。そもそも、アイランドシティ事業、私はやはりこれは福岡市のために非常に重要だと、こう信じて取り組んでおる事業でございます。しかも、この住民投票条例、いろいろ問題があるとこのように思います。全くまだプランだけの段階であれば、市民がイエス、ノーでお決めいただいてもいいかもしれませんけど、これだけ進んできている段階で、市民の皆さん方も……(傍聴席で発言する者あり) 85 ◯副議長(大石 司) 静粛に願います。静粛に願います。 86 ◯市長(山崎広太郎) 賛成、反対だけで決め得ないと思うんですよ。賛成される方もいろいろな条件がおありでしょう……。(傍聴席で発言する者あり) 87 ◯副議長(大石 司) 市長、ちょっと待ってください。傍聴人に警告いたします。先ほどから再三注意しておりますが、議長の命令に従わないときは、地方自治法第130条第1項の規定により退場を命じることになります。静粛にしてください。ではどうぞ。 88 ◯市長(山崎広太郎) なかなか、だから反対される方もいろいろな条件が整えば賛成ということもあるでしょう。だから、一概に今の時点で白黒の判断を求めるということはいかがなものか。むしろ私ども、こういう議会を通じたり、いろんなことを通じて、随分中身的には議論を尽くしてこの事業を進めておる問題であると、このように考えておるところでございまして、こういう形で、私はアイランドシティ事業推進に向かって、いろんな課題を私どもは前向きに解決することによってこの事業の成功を期してまいりたいと、このように考えておりますので、よろしくお願いいたします。 89 ◯副議長(大石 司) 荒木龍昇議員。 90 ◯33番(荒木龍昇)登壇 私は、議案第197号、人工島建設事業の継続について賛否を問う福岡市住民投票条例案に賛成いたしまして質問を行います。  今回の8万4,000名もの署名により議案として提出された人工島建設事業の継続について賛否を問う福岡市住民投票条例案について、市長は先ほども繰り返し必要ないということを述べておりますけれども、このことは市民の声を踏みにじるものであり、極めて不当なものです。今回の署名は、支持する政党を超え、多くの市民が人工島事業に疑問を持っていることを示しており、市長が引き返す勇気を持って見直しをするという公約を踏みにじったことに多くの市民が納得していないことを示すものです。さきの2月議会で、人工島直轄化が議会で可決しました。このこと自体が人工島事業が破綻していることを示すものであり、漠然と福岡市の将来に必要な事業という市長の主張そのものが根拠のないことを示しています。そこで、以下、この人工島建設事業の継続について賛否を問う福岡市住民投票条例案は必要ないという市長の意見がいかに市民を無視しているものか質問を行います。  まず第1点は、人工島事業は既に破綻しているのではないかということです。これはさきの答弁でも繰り返し質疑がありましたが、改めてこれからただしていきたいと思います。まず第1点、博多港の国際コンテナターミナルの強化をしていると繰り返し言っておりますが、直近の過去5年間における5万トンを超える船の入港について実績をお示しください。第2点、直近の福岡市の世帯数と住宅数をお示しください。第3点、ソフトリサーチパークの第2期事業はどうなっているんでしょうか、現状と理由を示してください。第4点、香椎パークポートにおける当初計画販売面積、現時点での売却済み面積はどうなっているんでしょうか。第5点目、人工島の市工区の販売状況をお示しください。第6点目、他都市における埋立地の土地処分状況について、神戸市ポートアイランド第2期埋立地、大阪市咲洲について、横浜市みなとみらい21について、東京都臨海副都心についてそれぞれ竣功時期と土地処分状況についてお答えください。  第2点目として、財政上このまま人工島事業を続けることが許されるのかお尋ねをいたします。まず、福岡市の財政状況について、今後の見通しを示してください。次に、これまで人工島事業に使われた市の事業費、今後の人工島事業に使われる見込みの市の事業費について、福岡市工区、博多港開発第1工区、博多港開発第2工区、いわゆる福岡市の第5工区ですが、それぞれについてお示しください。次に、3点目として今回の地震被害における震災復旧対策にどれだけの費用が必要と見積もっているのかお答えください。  第3点として、市長はこれまでも市民の声を聞き施策に反映してきたと繰り返し言っております。さきの答弁でも同じように言っていますが、具体的にこれまでいつどのようなことを行い、市民の声をどのように反映してきたのか説明してください。これまでの答弁で市民が理解できているとはとても思えませんので、重ねて質問いたします。  以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。 91 ◯副議長(大石 司) 中島港湾局長。 92 ◯港湾局長(中島紹男) まず、博多港の直近5カ年間における5万トンを超える船の入港状況等についてでございますけれども、平成12年は91隻、平成13年は117隻、平成14年は110隻、平成15年は51隻、平成16年は47隻となっております。次に、福岡市の世帯数と住宅数についてでございますが、平成15年10月1日現在の福岡市推計人口による世帯数は、63万2,476世帯でございます。次に、住宅数でございますけれども、平成15年10月1日調査の住宅土地統計調査によりますと70万3,300戸となっております。  次に、ソフトリサーチパークの2期事業についてのおただしでございますが、福岡ソフトリサーチパークの1期計画の整備につきましては、平成7年から平成10年にかけて、情報通信、研究開発機能を備えたオフィスビルの整備が完了し、既に業務を行っております。平成16年4月末時点では120社の企業が入居し約6,000人の雇用がなされておるところでございます。2期計画につきましては、各立地企業とも景気の長期低迷等による厳しい社会経済情勢により指定用途期間内の建設が困難になったことから、指定用途期間を10年間延長いたしております。  次に、香椎パークポートにおける当初計画の販売面積、現時点の売却等についてのおただしでございますけれども、香椎パークポート港湾関連用地の処分計画面積につきましては、32.9ヘクタールでございまして、平成17年3月末現在で分譲18.2ヘクタール、事業用借地など3.9ヘクタールで、計22.1ヘクタールを処分いたしております。また、その他暫定公共ヤードといたしまして7.8ヘクタールを利用いたしているところでございます。  次に、市工区の販売状況についてのおただしでございますが、アイランドシティ市工区土地処分につきましては、平成15年度から分譲を開始いたしまして、平成15年度に港湾関連事業者でございますエバーグリーンジャパン株式会社及び相互運輸株式会社の2社に、合わせて約1ヘクタールを約13億円で、平成16年度におきましては、株式会社上組に約2.2ヘクタールを約29億円で分譲し、平成15、16年度2カ年間で計3.2ヘクタールを約41億円余で分譲いたしているところでございます。  次に、他都市の埋立地について土地処分状況についてのおただしでございますけれども、他都市の埋立事業における処分等については、各都市の背景、機能等の実情に応じて計画をされており、また公表されていないことから詳細については把握いたしておりませんが、それぞれお聞きしたところによれば、神戸ポートアイランド第2期については、竣功時期は平成4年から平成15年に竣功し、処分計画面積約190ヘクタール中、約13ヘクタールを処分されていると伺っております。大阪市咲州につきましては、昭和38年から順次竣功されており、現在での処分計画面積約573ヘクタール中、約509ヘクタールを処分されていると伺っております。横浜市みなとみらい21については、平成2年から平成17年に竣功し、処分計画面積約87ヘクタール中、約58ヘクタールを処分されていると伺っております。次に、東京都臨海副都心につきましては、平成2年から平成13年に竣功し、処分計画面積約139ヘクタール中、約78ヘクタールを処分されていると伺っているところでございます。  次に、市工区、会社工区それぞれに投入した事業費についてのおただしでございます。アイランドシティ整備事業について福岡市が平成16年度までに投入した事業費につきましては、これまでの福岡市工区は、公共事業、機能施設整備事業及び臨海土地整備事業の合計といたしまして約1,041億円、博多港開発株式会社第1工区は、道路、公園等の公共事業として約97億円、博多港開発株式会社から埋立権を譲り受けた福岡市5工区は、譲り受け費用として約396億円となっております。また、今後福岡市が導入する事業費につきましては、これまでの福岡市工区は、公共事業、機能施設整備事業及び臨海土地整備事業の合計といたしまして約826億円、博多港開発株式会社工区は、公共事業として約78億円、市5工区は公共事業及び臨海土地整備事業の合計として約336億円と見込んでいるところでございます。  次に、市民の声をどのように反映してきたのかというおただしでございますけれども、アイランドシティ整備事業の推進に当たっては、法令に定められた手続にのっとって、市民の代表で構成される議会において、関連議案の御審議、議決を得るとともに、平成4年の市民意見発表会や平成11年の大規模事業点検、及び平成14年の博多港開発株式会社工区に係る新事業計画取りまとめの際の市民意見募集など、さまざまな機会をとらえて市民の方々に御説明をし御意見を伺うなど、理解を得ながら進めてきたところでございます。これらの中でさまざまな御意見をいただいており、貨物量の増加に対応し、北九州港や釜山港に負けない高規格で国際競争力のある港湾整備や、使用料の値下げ、サービス時間の延長等が必要、すべての人が便利で安心して生活できるまちづくりや、人と自然が共生できるアメニティー空間、市民の憩いの場が必要などの御意見に対しましては、国際競争力のある使いやすい港づくりの推進、市民が身近に自然と触れ合える親水、緑地空間の整備、アイランドシティ周辺海域をエコパークゾーンとして豊かな自然環境の積極的な保全と創造を目指す整備といった形で取り組むなど、貴重な御意見を反映させていただいているところでございます。今後ともさまざまな機会を設け、積極的な情報提供を行うなど、市民の方々に御理解を得ながら着実に事業を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 93 ◯副議長(大石 司) 鶴川財政局長。 94 ◯財政局長(鶴川 洋) 本市の財政状況の今後の見通しについてのお尋ねについてお答えいたします。平成17年度当初予算案を御提案した段階で、その時点で判明しております国の三位一体改革を初めとする地方財政制度などを前提に、17年度予算編成の結果を反映させ、平成20年度までの中期財政見通しを策定、公表しているところであります。平成18年度以降につきましては、17年度予算編成における経常経費の縮減などの財政健全化に向けた取り組みの効果は継続いたしますが、地方交付税改革の影響や扶助費の増嵩などにより財源不足が見込まれますことから、引き続き厳しい財政状況が続くものと考えております。  次に、今回の地震被害における震災復旧対策費用についてのお尋ねでございますが、4月15日に地震災害復旧・復興本部会議において災害状況を取りまとめております。これによりますと、各局推計では公共土木施設などに係る災害復旧関連事業費は約424億6,000万円程度と見込んでおりますが、財源につきましては災害復旧事業関連の国庫負担金や地方交付税が措置される災害復旧事業債の活用等により対応してまいりたいと考えております。なお、この事業費につきましては、今後の被害状況等の調査結果などにより変動が生じることがあるというふうに考えております。以上でございます。 95 ◯副議長(大石 司) 荒木龍昇議員。 96 ◯33番(荒木龍昇) まず、港湾ですけれども、今答弁いただきましたように5万トンを超える船はだんだん減っているという状況です。さきの答弁でも、いわゆる外国航路が減っていると、いわゆる欧州航路が減っているということで、実際大型船舶が減っているという現状が示されたと思います。博多港統計でも入港船隻は若干ふえているんですけれども、総トン数自体は減ってきています。船隻数は若干ふえてきているんですが、トン数は減っているということは、この博多港統計からも小型船舶がふえているということが示されているわけです。現在入っている5万トン以上の大型船舶も上海や釜山で荷を下ろして入港するので、水深13メートルの岸壁で間に合うというのが現状なわけです。九州の経済は日本経済の1割しかない、そういったバックヤードが小さいこと、加えて、シンガポールや釜山などに比べてハブ港湾としては格段の差がついている。国内においても、神戸港や大阪港などのいわゆる上位5港と比べても5分の1程度しかないわけです。また、来年度開港する北九州響灘港との競合を考えると、博多港がハブ港湾を目指すというのは、これは非常に荒唐無稽な話ではないかと言わざるを得ません。以上のことから、大水深の港湾施設は必要ないのではないかと考えますが、所見を求めます。  次に、人工島に住宅をつくるということなんですが、今答弁いただきましたように、住宅数は世帯数を7万戸も上回っている。しかも、市内には住宅地、また住宅は余っているということは明らかなわけです。人工島に1万8,000人、6,000戸の住宅をつくるという計画になっていますけれども、一体どこに住宅を新たにつくる理由があるのか、だれもが疑問を持つところです。また、少子・高齢化が進む中で、人口はふえても構造的に住宅需要は減る状況にあります。土地処分は極めて難しいんではないでしょうか。今回の地震で明らかなように、埋立地は必ず液状化現象が起こります。先ほど港湾局長は、人工島の住宅用地のところでは液状化現象が起こっていないと言いましたが、見に行ったんですか。私、見に行きました。穴があいていたんですよ、ちゃんと。写真撮っています、見せてもいいですよ。何をもって液状化は起こっていないというふうに、そんなうそをつくのかちょっと私は理解に苦しむんですが。今回の地震で明らかになったように、埋立地は必ず液状化現象が起こる、こういったところに住宅をつくったり病院をつくるというのは適さないことは明らかです。まして、小中学校の建設、病院の移転、住宅建設はやめるべきだと思いますが、所見を求めます。  次に、産業用地についてです。他都市の例を今述べていただきました。他都市の例を見ても土地処分がいかに難しいか、10年、20年かかってもなかなか売れていないですよ、東京、大阪でさえ。そして、産業集積が極めて難しい、土地処分が進んでいないという状況が明らかなんです。今、東京都でも横浜でも福岡でもそうです。この企業を誘致するために助成制度をつくっています。みなとみらい21は、いわゆる企業誘致をするために上限80億円ですよ、上限を80億円に設定して投資額の1割を補てんすると、こんなことをやっているわけです。それでも企業は来ないんですよ。福岡市だって、市工区の土地を売るために報償金を5,000万円を上限つけているでしょう。しかし、進んでいないというのが現実じゃないでしょうか。このように、他都市についても極めて厳しい。福岡市内においてもソフトリサーチパークの第2期についてはめどが立っていないことが今答弁で明らかになったと思うんです。香椎パークポートもいまだに売れ残っているんですね。平成8年に竣功して平成11年には完売すると、港湾局は私に再三答えてきたんですよ。ところが、いまだどうですか、売れ残っているじゃないですか。人工島市工区も処分の見通しは立たない。こういった中で、実は博多港開発の工区について平成15年度にコンサルタント会社が報告書をつくっています。これは港湾局が依頼してつくった報告書なんですよ。ここでは何と書いてあるか。アジア国際ビジネス関連の産業集積について、1つ目がターゲットとして外資系企業の東北アジア進出、管理拠点、2つ目が日本企業の東北アジア進出、管理拠点、第3がアジア企業の日本進出拠点を挙げています。いずれをとっても日本経済の長期低迷という大きな制約条件の中で対象企業の進出需要の喚起には困難が伴うことを覚悟せざるを得ない状況であると、このようにコンサルタントは報告しているんですよ。そして、実際大阪市のコスモスクエアのアジアトレードセンター、ワールドトレードセンター、そして東京都の臨海副都心のテレポートセンター、こういった産業集積を担ってきた第三セクターはことごとく破綻して、現在特定調停が済んだ、ないしは特定調停を進めている、こういった状況にあります。こういった状況を見れば、人工島も同じ轍を踏むことは見え見えです。このまま事業を進めても、展望はないのではないかと考えますが、所見を求めます。  次に、財政上の点から質問いたします。財政局の答弁では、極めて厳しい財政状況は続くと、このように言っております。人工島に多大な税金をつぎ込むことは、さらにこの財政負担を大きくすることになります。震災の被害は目に見えないものが多くあり、保険の対象や助成の対象にならない被害も多く、市民生活を圧迫しており、新たに震災復興のために負担が増大する状況です。破綻が明らかな人工島事業を続けることに市民が納得するとはとても考えられませんが、市長の所見を求めます。  2問目の最後に、これまでも多くの市民が人工島中止を求め、見直しを求めてきましたが、どのように受けとめてきたんでしょうか。先ほどの答弁では、自分たちの都合のいいことはいろいろ生かしましたと答えたわけです。しかし、中止を求める声、見直しを求める声についてはどのように生かしたか何も答えていないわけですね。このように都合のいいことしか言っていないわけです。市長はるる市民の声を聞いたと言っていますけれども、単に聞きおくだけで政策に反映したとはとても考えられません。今回の条例案についても、8万4,000人の署名について重く受けとめるとしながら、人工島に関してはこの条例はそぐわないと答えていますが、なぜそぐわないのか、市民には理解できません。そこで、地方自治法74条に記載されている市民の直接請求権についてどのように考えているのか。また、他都市では市民参画を進めるために自治基本条例を制定する動きがあります。この自治基本条例では、住民投票条例は市民参画の1つの手段というふうに考えていますが、このような市民自治条例の制定の動き、そして、市民参画の1つとして住民投票条例をつくっていくという、こういった動きについて市長はどのように考えるのか所見を求めます。  以上で2問目を終わります。 97 ◯副議長(大石 司) 中島港湾局長。 98 ◯港湾局長(中島紹男) 博多港の港湾施設の必要性についてのおただしでございますけれども、博多港におきましては、平成16年の国際海上コンテナ貨物量は速報値で約61万TEUとなり、過去最高を更新いたしており、さらに平成16年12月からは新たに欧州航路が寄港するなど、水深15メートル岸壁が必要な6万トン級の大型船の入港が定着をいたしておるところでございます。一方、中国等、経済発展の著しいアジア諸国との経済交流の活性化に伴い、アジアに近い博多港においてはアジア航路の比較的船型が小さい船舶の入港が増加いたしております。現在の博多港のコンテナ貨物の取り扱い状況につきましては、香椎パークポートは既に満杯であり、平成15年9月に供用したアイランドシティ水深14メートルコンテナターミナルにつきましても平成16年に約21万TEUとフル稼働の状況であります。したがいまして、博多港につきましては、世界、アジアに向けた我が国の主要なゲートウエーとして、また福岡市のみならず九州、西日本の産業、経済、雇用などを支えていくため、基幹航路の趨勢である6万トン級の船舶に対応したアイランドシティにおける水深15メートルコンテナバースの整備が必要であると考えているところでございます。  次に、住宅建設、病院建設等に関してのおただしでございますけれども、住宅数と世帯数の差の空き家につきましては、大規模な修理が必要で居住に適していない住宅や住宅更新時の仮住まいとして必要な住宅などが含まれていると考えられるところでございます。また、本市におきましては、第8期住宅建設5カ年計画において居室等の構成や規模等に関する誘導居住水準を定めており、この水準に満たない住宅や今後の人口増加に対応するため、アイランドシティにおける住宅開発の必要性も高いものと認識をいたしております。また、アイランドシティにおける今回の地震につきましては、既に埋立工事等が完了している住宅地を含む分譲地において液状化等の現象は発生しておらず、今後の住宅や病院などの建設に影響はないものと考えております。今後とも、アイランドシティのまちづくりに当たりましては、公園や広場などのオープンスペースを多く配置し、電線類の地中化を図るなど、災害に強いまちの形成に取り組んでまいります。  次に、産業集積は進まないのではないかとのおただしでございますけれども、アイランドシティの産業集積用地につきましては、本市の知的支援、人材等の厚みや、地理的、歴史的ポテンシャルを生かし、近年経済発展の著しい東アジア、北東アジアの主要な都市、地域との経済的連携を促進する観点から、今後の成長性やすそ野の広い産業集積が期待できるアジアビジネスや健康、医療、福祉などの分野をターゲットとして絞り込んでおるところでございます。アジアビジネス分野につきましては、21世紀中華街構想を今年度に日中共同で策定し、また、健康、医療、福祉分野につきましては、16年度に高齢者関連施設の公募を実施するなど、リーディングプロジェクトの具体的な事業が動き出しているところでございます。今後、これらのリーディングプロジェクトを推進するとともに、新たなコアづくりや、さらなる企業支援策を早期に検討し、着実に産業集積拠点の形成を図ってまいりたいと考えているところでございます。  次に、震災復興をやっていく中でアイランドシティ整備事業を続けることに関するおただしでございますけれども、今回の災害復旧関連事業費に係る財源につきましては、国庫負担金や地方交付税が措置される災害復旧債の活用等による対応が考慮されており、全市を挙げて災害復旧に向けた取り組みを進めているところでございます。一方、アイランドシティ整備事業は国際水準のコンテナターミナルの整備、先進的なまちづくり、新しい産業の集積などを進めるものであり、九州、西日本の市民生活や地域経済の活性化に大きく貢献するとともに、アジアに向けた都市戦略上重要な機能を担う事業であることから、長期的視点に立って事業を着実に推進してまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。 99 ◯副議長(大石 司) 鹿野総務企画局長。 100 ◯総務企画局長(鹿野 至) 条例制定請求のお尋ねについてお答えいたします。住民による直接請求制度の1つとして、有権者の50分の1以上の署名を要件に住民みずからが発案することを認めるものであり、間接民主制を基本とする我が国の地方自治制度においてそれを補完する制度であると認識いたしております。このたびの請求におきましても、要件を満たす数の署名が集められたことから、それらを受けて必要な手続にのっとり条例案を提案したところでございます。また、住民投票制度につきましては、間接民主制を補完するとともに、多様化する市民ニーズを市政運営に反映させる市民参画手法の1つであり、近年他都市におきまして、市町村合併に伴う住民投票等の事例が増加してございます。しかし、長や議会の本来の機能や責任との関係、二者択一という設問のあり方など、制度上の問題も指摘されているところでございまして、制度の導入に当たっては慎重に検討する必要があると考えております。本市におきましては、市民参画の手法として、事業の特性などにおきまして、住民説明会、タウンミーティング、パブリック・コメント手続やワークショップなどを取り入れているところでございます。また、公共事業等の手法、規模や事業の是非等について、計画段階から複数の選択肢を含めて公表し、市民や専門家を交えた議論の場を設ける市民オプションを検討したり、大規模な事業を計画段階から実施段階に移すに当たり、事業実施のタイミング、それから手法、経済性、効率性、採算性などを評価する公共事業事前評価を試行することとしており、今後ともこれらを活用して広く市民意見を取り入れていきたいと考えております。以上でございます。 101 ◯副議長(大石 司) 荒木龍昇議員。 102 ◯33番(荒木龍昇) 港湾施設についてから申し上げますが、先ほどコンテナはふえていると言っていますけれども、とても釜山、上海等、こういったハブ港に比べたらもう話にならないんですよ。福岡は30分の1しかない。先ほど言いましたように、国内の上位5港に比べても5分の1しかない。しかも、大型船舶は減っている、航路が減っているということ自体が、そういったいわゆる流通構造が変わってきていることを示しているわけです。市長も常々RORO船がふえているというふうに言っているわけですが、RORO船というのはせいぜい2万トンもならないぐらいなんですよ。上海航路が開設すれば、当然そういった2万トンで十分なわけです。しかも、RORO船はガントリークレーンも要らなければ倉庫も要らないわけです。ますます土地需要は必要ないし、大水深も要らなければ大型港湾施設もつくる必要はないというのが明らかに今の流通構造が変わっている中身なんですよ。それをどうして大水深が要るというふうに繰り返すのか。これはだれも納得がいかないと思います。  住宅についても、先ほどの話であれば、住めない家もあるんだと言っていますけど、7万戸も差があるんですよ。しかも、私は自分の近くの選挙区の中を見て回っても空き地がいっぱいあります。空き家もいっぱいあるんですよ。先ほどの答弁でも、香椎浜、香椎操車場跡地に土地もこれからさらに新しくできようとしているし、かつてのまだ住宅のできていない土地も残っているわけです。しかも、二、三十年前に開拓された住宅地は、今や空き家がふえてきているのが現状なんですよ。そういった中で、どうして人工島に住宅をつくる必要があるんでしょうか。しかも、いいですか、これは港湾局が頼んだコンサルタントの報告書の中に書かれていることなんですけれども、少子・高齢化によって構造的に土地需要は変わってきている、空洞化すると言っているんですよ。あなたたちは自分たちで出したそのコンサルタントの報告をどう利用しているんですか。  住宅だけじゃなくて、産業用地も、コンサルタント会社は、今後困難を生じることを覚悟しないといけないと言っているんですよ。いいですか、いわゆる事業を集積し、埋立地の土地処分を行い事業集積を行っていくことはいかに難しいか。先ほど他都市の例を見ても明らかなように、なかなか土地処分は進まないのが現状なんです。補助金をつけたって来ないんですよ。神戸市のポートアイランドの第2期工事は、土地代ただでも企業は来なかったんです。そういう時代なんですよ。そういう中で、どうしてこの事業を進めて採算がとれるというのか、全く理解はできません。  銀行でさえ博多港開発の融資をやめた、その理由は、この事業が経済的にも破綻をしているからであり、博多港開発にかわって第2工区を福岡市が直轄化して事業を進めてもこの事業が破綻することには変わりがないということなんです。市工区においても土地処分の見通しはなく、市民の借金をふやすことになります。博多港開発第1工区についても、このまま事業を進めても博多港開発の赤字は膨らみ、市が博多港開発救済のために税金をつぎ込むことになります。先ほど、住宅地で液状化現象は起こっていないというふうに港湾局長は繰り返し言いますけれども、本当に見に行ったんですか。私は写真を撮っていますよ。私がうそをついているのか、あなたがうそをついているのか、はっきりさせてください。  私は、このまま博多港開発に税金をつぎ込むのはやめるべきである、博多港開発を直ちに清算すべきというふうに考えます。このように、人工島事業を続ければ福岡市の財政に大きな負担をかけ、現在の市民生活に大きな影響を与えることになるだけでなく、将来にわたって市民生活に大きな影響を与えることは明らかです。このような事業については市民の声を聞き、政策判断をすることは市長の責務だと考えます。さきの地震において大変な被害が起こっているわけですけれども、今最優先すべきことは、地震復旧に全力を挙げることであり、安心して暮らせるまちづくりに金を使うべきです。厳しい財政状況だからこそ、なおさら税金をどのように使うのか、市民の声を聞き、政策に反映するべきだと考えます。市長はこの議案に付した意見を撤回し条例制定に努めるべきと考えますが、市長の所見を求めて質問を終わります。 103 ◯副議長(大石 司) 山崎市長。 104 ◯市長(山崎広太郎) 繰り返しになりますけれども、アイランドシティ整備事業は、国際水準のコンテナターミナルの整備など、博多港の機能強化や豊かな自然と調和した先進的なまちづくり及びアジアの活力を取り込んだ新たな産業集積の場づくりなど、本市の将来にとって必要不可欠な事業であります。事業の推進に当たっては、法令に定められた手続にのっとって進めておりまして、市民の代表で構成される議会で関連議案を御審議いただき議決を得るとともに、さまざまな機会をとらえて市民の方々へ御説明し御意見を伺うなど、理解を得ながら進めてまいりました。また、平成15年度には国際コンテナターミナルを供用開始し、既にフル稼働にあること、さらに本年度には全国都市緑化フェアを開催するとともに、市民の方々がここで生活を始められる予定であるなど、着実に成果があらわれているところであります。このようなことから、現時点において改めて賛否を問う必要はないものと考えております。 105 ◯副議長(大石 司) 以上で質疑を終結いたします。
     お諮りいたします。ただいま議題となっております議案第197号は、第3委員会に付託することにいたしたいと思います。これに賛成の議員の挙手を求めます。       〔賛成者挙手〕 106 ◯副議長(大石 司) 賛成多数であります。よって、議案第197号は第3委員会に付託することに決しました。  次に、今期臨時会において受理した請願は、お手元に配付の請願文書表のとおりであります。これを所管の常任委員会に付託いたします。  以上で、本日の日程は終了いたしました。次の会議は明19日午後1時に開きます。本日はこれをもって散会いたします。                                         午後3時58分 散会 Copyright (c) FUKUOKA CITY, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...